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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

出所者はハローワークで前科を申告しなければならないのか?

 これも私の著書の中で書いたことだが、仮釈放直前の教育期間(釈前=シャクゼン、といいます)中に、ハローワークの係が刑務所にやってきて、ハローワークでの職探しのやり方をレクチャーしていったことがあった。
 
 派遣されてきたのは、黒羽刑務所は栃木県の那須塩原町にあるので、その近辺のハローワークの部長さん、という肩書きであった。出所してからの就職は誰にとっても最重要問題だから、20名ほどいた仮釈放の面々は皆真剣にその話に聞き入った。前科がある者が職を得るための、何か援助や特別な話が聞けるのか、と期待したのだ。

 結論から言えば何もなかった。出所者が自分の前歴を明かせば、相談窓口が一般用から身障者や高齢者などが利用する窓口になり、より丁寧な相談を受けられるので、是非そうして欲しいということのみだった。

 「それで、そこで前科を明かして登録したとしてですね、御社では過去どれくらいの出所者が職に就けたのでしょうか?」と私は質問してみた。すると即座に、

 「ゼロですね」と何のためらいもない返答があった。「色々社会情勢も厳しいので、ゼロです」という返答に会場がざわついたので、部長氏は「あ、3年間で2人いらっしゃいます。私たちも精一杯努力してますので」と慌てて言い換えた。しかし、ゼロが2人になっても大差はないので、会場は粛然としてしまった。

「ということは、やはり前科を申告しない方がよろしいのではないですか?」と再び私は尋ねた。
「はあ〜、いえ、これはやはり申告して頂きたいのですね。私どもハローワーク事業者さんと契約を結んでおりますので、履歴に偽りがあったことが判明すると、その事業者さんと私どもの信用問題になってしまうんですね。更に皆様にとっても、あとから履歴の詐称が判明すると契約を取り消されたりする問題が生じますので・・・」

「でも、前歴を書いてしまったら全然採用がないんですよね?」
「はぁ・・・正直言って、大変難しいのは事実です」
なんだか聞かない方が良かったな、という雰囲気がその場を支配して、その後誰も質問する者も無くその場はお開きとなった。

 私はものすごく腹が立った。法律的には、前歴を申告する義務というのは存在しない。職歴とは全く異なるので、履歴書に書く義務はないのだ。それをハローワーク事業者の信頼関係云々を盾にとって申告せよなどとはどうみてもおかしいのでは、と感じたのだ。

 というのも、私は消えた年金に代表される厚生省管轄のデーターベースの管理を疑っているからだ。申告したら最後、あのユルユルの管理体制の杜撰さから、データが横流しされる危険が絶対にあるのでは、と感じている。だから申告などしたくはないのだ。

 結果的に私は今までハローワークに登録していないので、前歴も申告していない。ハローワークを通さずある企業の内定を取ったが、前歴を隠しておくのも嫌だったので、内定直後に打ち明けてみたら、翌朝断りの連絡が来た。まぁこれが大方の反応なのだろう。人事担当者が最後に、「本間さん、そんなことは黙っていればいいんです。内定はあなたの実力だし、誰も調べはしないんですから」とすまなそうに云ってくれたのがせめてもの救いだった。他の出所者は、皆どうしているのだろうか。
 
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