本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

もはや警察のお家芸?大阪個室ビデオ店放火事件、被告が自白を全面否認

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警察・検察のでっちあげ捜査による冤罪については何度もこのブログでとりあげているが、またもやそれを予感させるニュースが飛び込んできた。

http://www.asahi.com/national/update/0914/OSK200909140038.html

 昨年10月、大阪・難波の個室ビデオ店に放火し、16人もの犠牲者を出した事件の公判が本日から始まった。
現行犯逮捕された被告は当初犯行を自供したと伝えられていたが、今回公判で明確に犯行を否定、検察と全面的に争う姿勢を見せた。

 弁護側は、「被告は気が弱く、机を叩いて自供を迫る刑事の脅しに負けて嘘の自供をしてしまった」との主張し、更に出火元も最も燃焼が激しかった別の部屋であるとし、真犯人はその部屋にいた人物だとした。

 グーグルで各報道機関の論調を読んだが、どこも深く検証しておらず、どちらの言い分が正しいのかは現時点では全く分からない。ただ、日テレニュースのみが「被告が取り調べで否認する様子を録画したDVDが今後、証拠として上映される予定」と伝えており、被告が既に取調中から犯行を否認していた記録があるという。


 これは一体どういうことだろう?検察調書では、被告は犯行を自供したことになっている。しかし(日テレ報道では)その自供を否定した映像が存在するという。ではなぜ自供した内容の供述調書がそのまま検察から裁判所に提出されているのか?公判であっさり否定されるとは考えなかったのだろうか?

 検察調書では『巻き込まれて死ぬ人、ごめんなさい』と思いながら火を付けた。被告の個室から火が出たという目撃証言もある。逮捕後19日間にわたり『やったことは認めたい。正直になりたい』と話した、とされている。実に細かい供述が得られた、とされているのだ。

 死者16人を出した大事件である。犯人がこのビデオ店内にいたことは間違いないし、捜査的には決して難しいものではなかったろう。被告はすぐに逮捕され、直ちに犯行を自供したとニュースが流れたから、殆どの人は彼が犯人と信じて疑っていない。

 公判を傍聴しようと集まった遺族や関係者もそうだ。インタビューにも「今さら何を言うか」と怒りを露わにしている人がいた。
遺族としてはもっともな感情だが、もしこれがまたもや冤罪なら、遺族の怒りは被告ではなく、警察に向けられる性質のものだ。被告が全面的に否認している以上、その可能性はゼロではない

 冤罪の恐ろしさは、罪をかぶせられた被告が取り返しのつかない精神的・肉体的被害を受けるだけでなく、捜査を遅滞させ真犯人を取り逃がし、最終的に遺族や被害者の損失感も放置したままにしてしまうことだ。

 これはまたもや「気の弱い」被告を犯人に仕立て上げる警察・検察の「お家芸」が発揮されたのか?それとも被告が罪から逃れたいがための必死の虚偽発言なのか。

 証拠として放映されるDVD記録がまさに被告の死命を分けることになるだろうし、万一これも冤罪ということになった場合、警察・検察の受けるダメージは計り知れないものとなるだろう。この公判は裁判員制度の対象とはならず、集中審理で10月15日に結審予定だ。この行方に注目していきたい。

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