腰が引けているマスコミのエコナ報道

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　こうなるとは思っていたが、ＴＶと大新聞マスコミのエコナ報道における腰のひけっぷりは見事だ。



　１６・１７日でエコナ販売中止はあらゆるメディアで報道されたが、それも「花王は販売停止を発表した」という記事だけ。なんのつっこみもなく、皆見事な大本営発表である。通常は各紙に載る責任者（社長・副社長）の会見やインタビューもなかった。



　そして今日、後追い報道を探して見ると、きちんと扱っているのは毎日新聞くらいで、朝日や読売には全く追跡記事がない。同社への電話が昨日午前だけで２０００件にも達したという報道が朝日や読売には載っていないのだ。ＴＶ報道にいたってはのりぴー保釈ばかりで更にお話にならない有様だ。



　エコナは年間２００億を売り上げるだけでなく、同社の健康志向を具現化している看板商品である。大々的に宣伝され、どこの家庭でも一回は使われたことがあると思われる、もはやナショナルブランドだ。



　そこに発ガン物質が（発表では発ガン物質に変質するかも知れない物質）が含まれていたのだからただごとではない。少なくとも大新聞の科学部や生活部が追いかける価値のある重大ニュースだ。中小企業なら間違いなく倒産モノである。



　ところが大手マスコミのこの見事な沈黙ぶり。これはナゼかと云えば、花王様が巨大広告主だからだ。その予算は年間約６００億円に及び、特にＴＶに対する出稿額が極めて大きい。



　じゃあ新聞社は関係ないじゃないかというとさにあらず、もちろん新聞にも出稿はあるし、各新聞社は皆資本出資しているＴＶ局があるから、ＴＶでの報道イコール新聞報道と重なってくるのだ。



　はっきりいえば、大新聞の中で最も部数が少ないのが毎日であり、それゆえに広告出稿量も一番少ない。そう、広告主とのしがらみが一番少ないのだ。だから一番「気兼ねなく」花王を追いかけることが出来る。ちなみに報道に関する賞の受賞は毎日が一番と云われるのもそのためだろう。



　昨日も紹介したが、エコナについては数年前から問題点が指摘されてきたにも関わらず、マスコミはそれを封殺してきた。汚名返上のためにもこの問題を徹底的に取り上げる勇気がマスコミにあるか。各社の良心が試されている。
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