本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

花王、エコナの特保取り消し手続きを受け自主返納(追記あり)

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 昨日消費者委員会からトクホの取り消しまたは表示の一時停止を求められていたエコナについて、ついに今日消費者庁が表示取り消しを決めた。(以下JPNより転載

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100801000411.html





エコナ特保取り消し手続きへ 91年の制度創設から初



 消費者庁は8日、発がん性物質に変わる恐れのある成分を含む花王食用油エコナ」について、特定保健用食品(特保)表示の取り消しに向けた再審査の手続きに入ることを決めた。



 表示許可が取り消されれば、1991年に特保制度が創設されて以来初めてとなる。



 エコナは98年に特保表示が認められ、これまでにオイルやマヨネーズなどシリーズで12種59品目が販売された。



 今年6月、体内で発がん性物質グリシドール」に変わる恐れがある「グリシドール脂肪酸エステル」が商品に含まれることが判明し、花王は9月中旬からエコナシリーズの販売を自粛した。



 エコナをめぐっては、主成分の「ジアシルグリセロール(DAG)」の発がん性促進作用についても食品安全委員会で安全性の審議が続いている。

(引用ここまで)


 花王がいかに巨大な広告費を使ってメディアを縛っていても、さすがに消費者庁を突き動かす国民の不安をはねのけることは出来なかった。



 「出荷停止」していても理由をはっきりと明示せず、しかも返品・返金をすると云っても同社にアクセスした者のみが対象という消費者をこけにした対応を取ってきた花王も、これでさすがにエコナを再発売することはもう出来ないだろう。



 それでも今日の花王の株価がマイナス40円程度というのは、市場では既にこの取り消しが織り込み済みだったということか。冷静に考えれば時間の問題だったのかも知れない。



 私は花王には好悪どちらの感情ももっていないが、問い合わせ窓口の電話が全く繋がらないなど今回の対応は消費者にたいして不親切であることは間違いない。たとえ花王自体が発ガン性を否定していても、販売停止に踏み切ったのだから対応もきちんとするべきだった。



 こうした「不親切感」を消費者は決して忘れないし、更にトクホが取り消されたことによるブランドダメージは他の商品にも波及することになるだろう。これまで完璧な消費者マーケティングを展開し君臨してきた同社にとって、生の消費者感情をないがしろにしたツケはかなり大きなものになるのではないだろうか。
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<追記>
 上記記事を掲載後に本日午後花王側が自主的に表示許可を取り下げる「失効届」を保健所に提出、受理された。
もし「取り消し」されていれば1991年に特保制度が始まって以来初のケースだったが、花王が特保表示を返上したことで再審査
手続きは停止した。

 今回の自主返上の手際の良さには舌を巻く思いだ。なるほど、自主的に返上してしまえば「表示取り消し処分」を受けることはなく、
消費者庁の審査・発表も止まるから、騒ぎがこれ以上大きくなることを未然に防げる。福島消費者庁長官がTV等で
エコナのトクホを取り消します」などという映像が流れることを水際で阻止したのには企業防衛上特筆に値するだろう。


 花王はHPに本日の自主返上を行った件で広報文を掲載し、その最後になおも
エコナ関連製品につきましては、食品としての安全性に問題はないと判断しておりますが、ご心配、ご迷惑をおかけしましたことを
重ねてお詫び申し上げます。』


 と記している。ここまで頑なに責任を拒否するのであれば、なぜ消費者庁に堂々と抗議し、その巨大なマス対策予算を使って
対抗キャンペーンを行わないのか。まるで自らも被害者のような発表文と行動にはどうもすっきりしないものが残る。


今の同社の行動はとてもではないが消費者マインドを意識したものとは思えない。同社はグリシドール脂肪酸エステルを一般
食用油レベルまで低減する技術の確立を図り、「新生エコナ」を再出発させると云っているが、今の対応レベルではいざ再発売を
しても、肝心の消費者にソッポを向かれるのは必定だろう。


消費者庁花王に対し、エコナの返品・返金窓口の周知徹底を強力に指導すべきではないだろうか。