本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

足利事件 再審開始

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 栃木足利市で90年、4歳女児が殺害された「足利事件」で無期懲役判決を受け、今年6月に釈放された菅家利和さん(63)の再審初公判が21日、宇都宮地裁で開かれた。



 菅家さんは「私は殺していません。真犯人は別にいます」と起訴内容を否認。検察側は争わない方針で来春にも無罪判決が出される見通し。弁護側が裁判所側に求めた謝罪について、佐藤正信裁判長は「まずは公正中立な立場で審理し、最終的な判決の際に考えたい」と謝罪を検討する方針を示した。



 また、佐藤裁判長は、再審請求審でDNAを再鑑定した弁護側推薦の本田克也・筑波大教授について、弁護側の請求に応じて証人として採用し、検察側に菅家さんを取り調べた際に録音したテープを提出するよう命じた。



 検察側は法廷が責任追求の場となるのを恐れ、ひたすら逃げの姿勢。「(証拠調べなどせず)一刻も早く無罪判決を出すことが菅谷さんの利益に叶う」などといけしゃあしゃあと言ってのけている。まさに恥知らずとしかいいようがない。



 今回の第一回公判では弁護側にとってよい兆しがいくつかあった。



・裁判所側の謝罪について検討する方針を示したこと

・弁護側が求めていた本田教授を証人採用したこと。(彼は科捜研が提出したDNAデータの間違いを指摘した人であり、彼が証言すると云うことは、法廷の場で科捜研側の誤りが明らかになる

・問題の取調べテープの提出が検察側に命じられたこと(まだ証拠採用されたわけではないが、検察が主張した門前払いではなかった)



 いずれも今までの裁判では有り得ないほど、弁護側主張に沿った方向で公判が進みつつある。裁判員制度が動き出し、裁判所も今までのように検察とどっぷり癒着していたのでは国民の批判を免れないことに気を使い始めたのだろう。



 ただし、弁護側が最重要課題としている取調べ担当刑事・検事の証人尋問に関してはまだ結論が出ていない。これが実施できるかどうかは、今後の冤罪防止に大変重要な影響を及ぼすので、是非実現させたいものだ。

 

 佐藤裁判長は冒頭、「有罪となった確定審の判断が誤判であるかを明らかにする」と再審の意義を説明、弁護側が求めた誤判原因の解明については「模索的な証拠調べは許されない」としながら、裁判手続きに違法があったかを判断するために必要な証拠調べはできるとの考え方を示した。



 17年も無実の人間の自由を奪ったことが違法でないとしたら何を違法と呼ぶのか是非おしえてもらいたいが、「必要な証拠調べ」の中には当然、菅谷さんを自白に追い込んだ捜査手法の検証も入ってくる。その論法なら必ず実施できるはずだ。



 裁判長は菅家さんかどうか確認する際「被告」と呼ばず、要望通り「菅家さん」と呼んだ。それ自体は素晴らしいことだが、それだけに止まってこの途方もない冤罪事件の真相追求をしないのなら、まさに茶番と非難されても仕方あるまい。そんなことがないよう、私たちもこの公判の行方を注意深く見守っていかなくてはならないと思う。