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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

出所者が再犯を犯さざるを得ないメカニズムとは(4)

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 ここのところ少々忙しくてアップが遅れてしまっていたが、出所者が再犯を犯さざるを得ないメカニズムについて、出所後の話をしておきたい。



ここでお話しするのは高相や押尾やのりぴーのように、逮捕されても一定の財産または何らかの後ろ盾があって、食うに困らないハイソな方達でなく、ごく一般の人を指すとご理解いただきたい。



 多くの場合逮捕、さらに有罪となって刑務所などに入ると職を失うから、出所しても収入の道はない。カネが無くて出所の段階で家族や身寄りがない場合、全国に101ある更生保護施設に収容されることだけが当面のねぐらを確保する唯一の道だが、その定員は2200人分しかなく、毎年の出所者3万5千人の約半分と言われる「身元引き受けのない者」全員を収容することは全く不可能だ。



 この更生保護施設は出所後約半年間、食事と寝場所を提供してくれる有難い所だが、給料が出るわけではない。ここに居る間になんとか就職先を探さなければならないが、多くの場合あるのは極端な日雇い低賃金肉体労働であり、とてもではないが自立して家を借り、生活することなど出来ない場合が多い。結局六ヶ月の期限内に定職を見つけられず、追い出されていく者も多いのだ。



 出所時に持っていた4〜5年分の報奨金など10万円程度にしかならないから、とにかく寝泊まりできる場所がなければあっという間になくなってしまう。しかし、上記の更生保護施設を抜かせば、行政による支援は全くない。



 唯一の生き延びる道は生活保護受給することだが、これは出所者支援でなく、国民全体のセーフティーネットだ。当然のことだが普通の人が自分の居住している地区の市役所などで申請するもので、一番最初に住民票がなければ審査を受けることも出来ない。



数年ム所にいた者は住民票を抹消されている者が多い。ということはこのセーフティーネットにも申し込むことが出来ないということで、本当に「にっちもさっちもいかない」状態に陥るのだ。



 私は約20年間会社勤めをし、退社後すぐに逮捕されたので、出所後は20年分掛け続けた失業保険が下りると思っていたのだが、なんとこれが全額国に没収されていたのには驚いた。



 失業保険が支給される用件は、失業中に就職活動をしていることなのだが、拘留中は当然それが出来ない。逮捕は自己責任だから、とにかく就職活動が出来ない者の保険は没収するというのだ。



 私は全く納得できなかった。逮捕はもちろん自己責任だが、それによって全く関係ない失業保険まで没収されるのはどうみても刑の二重加算ではないか?



 あちこち調べ、行政法の権威にも会って話を聞いたが、この没収を規定した法律は存在しておらず、どうやら厚生労働省内部の裁定例がずっと判例のように使われているのではないか、というところまで分かった。これに関しては絶対に国相手に訴訟を起こしてやろうと思っている。



 話はそれたが、要するに受刑者には失業保険の没収という、更なる刑罰さえも待っているという一例だ。そして出所者だという身分を明かせば、まともな就職先は100%ない。



 働きはじめた頃を思い出して頂きたいが、どんなイイ会社に勤めても、初給料をもらえるのは約一ヶ月後だ。その間の住居は必要だし、住居を持てば様々なカネがかかる。また、働くためには健康でなければならないから、最低限の食事も必要で、またカネがかかる。



 要するに、どうやっても最初に「最初に出費ありき」な訳で、その分のカネも家もない出所者には、まっとうな生活が送れるはずがないのだ。それは精神力ではどうにもカバーできない部分であることは、まともな人ならばすぐに分かるだろう。



 元刑務官でム所関係の著作を数多く出している坂本敏夫氏は、身寄りのない出所者には出所時に生活費または再出発資金としてとして少なくとも50万円程度は渡すべきだと主張している。



 もちろん本人にそのまま渡せば無くなる可能性もあるから、たとえば本人が定住を希望している地域の行政と連携してそこに委託し、その金を資金に家を借り、仕事を探す。家を借りられれば住民票を受けられるから、最悪は生活保護の対象にもなれる。



 そうした「現実性のある社会復帰プログラム」を造らなければ、法務省などがやっているかけ声ばかりのキャンペーンなどクソの役にも立たない。結局は生きるためにまた再犯を繰り返す悪循環から抜けられない。



 国は、少なくとも私が書いたような現実をもっと社会に向けて発信すべきだ。出所者を排斥し、とにかく刑務所におくりこんでしまえばいいという短絡的な発想は、再犯の増加による行政コストの高騰となって結局は国民に跳ね返ってくる。そうした負の連鎖を断ち切るまともな議論を、そろそろ国会で行うことを民主党には期待しているのだが・・・

 
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