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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

日本の犯罪は減少している(1)愚かな発想のマンション「グローリオ蘆花公園」



市橋容疑者の逮捕でまたもやマスコミ各社が狂騒している。

日本の犯罪は年々減少しているのに、ああいう特異な事件を大報道してあたかも凶悪事件が増加しているような印象を与えているが、事実は正反対だ。今後数回、様々な研究書やデータを元に、その誤りを指摘していきたいと思う。



全くの偶然にネットで発見したのだが、東京世田谷で分譲中のグローリオ蘆花公園(http://www.secom-shl.co.jp/glorio/roka/index.html)というマンションが、あまりにも愚かな思想で造られているのでちょっと取り上げてみようと思う。



HPでは色々もっともそうなご託を並べているが、誰がどうみてもこのマンション群最大の特徴は、出入り口を2ヶ所のゲートに絞り、9棟の居住棟をすっぽりとフェンスで囲む要塞のような設計だ。



 これは最近あちこちに現れ始めた、ゲーティッドタウン(要塞型=閉鎖型コミュニティ)いうやつで、それまであった地域社会にはおかまいなく、その壁の中のみで安全を享受しようという、アメリカ資本主義の悪しき象徴のような住居なのだ。



 それもそのはず、このマンションの施工主はセコム。4重のセキュリティと120台の防犯カメラで「敷地内の」安全を守るという。



 いやはや、日本もついにここまで来たかと暗澹たる思いにかられる。地域なんてどうでもいいから、自らの安全だけを金を払って守ってもらおうという独善的発想にはため息がでる。



 以前にも書いたし何度もいうが、日本の犯罪は5年前に比べて確実に減少している。発生件数で言えば平成14年度は369万件だったが、19年度は269万件。25%以上、100万件も減少しているのだ。



 国民の多くはマスコミのせいでまるで正反対の印象をもたされているが、これは犯罪白書にも書かれている厳然とした事実だ。数字によるデータは情緒を廃して雄弁に事実を物語っている。



 更に凶悪犯罪の代表たる殺人も、1950年台から一貫して減少している。例えばピークであった52年頃、殺人の認知件数は年間なんと3000人もあったのに、2006年は1300人(死亡は約600人)に減少している。



 また、マスコミでとりあげられる通り魔事件報道でその種の殺人が多いと錯覚しやすいが、実は殺人事件の8割は顔見知りの犯行で、さらに4割は家族によるものなのだ。TVなどで大々的取り上げられる事件の多くは、全体から見れば実は極めて少数派に過ぎない。この統計からすれば、どんなにセキュリティーに金をかけても、結局犯罪の多くは知り合いで起きるのだから、ゲーティッドハウス内も100%安全ではありえない。



 湯水のように報道される、子どもが変質者や通り魔に殺される事件も実は年間数件に過ぎず、交通事故やその他の事故に比べれば発生数は何十分の一しかない。ただ一件でも発生すると報道が無限に自己増殖し、まるで毎日どこかで子どもの誘拐殺人が起きているような気分にさせられているのだ。



 そうした「犯罪は増加している」「治安は悪化している」という「気分」があのようなゲーティッドハウスを造らせるのだが、バカ高い金を払って住む者は自業自得としても、罪作りなのは地域住民の分断を生むことだ。



 蘆花公園には何代も古くから地元に住んでいる人々が大勢いるだろう。そこにはきちんとした地域の生活や伝統が根付いていたに違いないが、そのど真ん中に城壁で囲った要塞が出来上がり、住民以外は中に入れないとなったら、周辺住民の疎外感、圧迫感は相当なものだろう。そもそも、城壁の外はまるで無法地帯と言われているようで非常に胸くそが悪いではないか。



 昨日逮捕された市橋容疑者も、逮捕容疑は「死体遺棄」であり現時点では「殺人」ではない。それをよってたかって「殺人犯」として報道しまくるマスコミは、とにかく日本の犯罪が凶悪化・増殖の一途を辿っているという誤った認識を国民に与え続けているが、これは国の進路を誤らせる大罪だ。この問題を今後検証していきたい。

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