本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

またも冤罪?千葉東金・女児殺害事件で指紋一致せず

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 当初からどうにも相当な無理スジだと思っていた東金女児殺害事件、警察の捜査力そのものに対する信頼を揺るがせるニュースが飛び込んできた。以下今日のスポニチ記事転載




被告と指紋一致せず…千葉東金・女児殺害事件


 千葉県東金市で昨年9月、保育園児成田幸満(ゆきまろ)ちゃん=当時(5)=が遺体で見つかった事件で、殺人罪などで起訴された勝木諒被告(22)の弁護団は2日までに、物証とされる指紋と掌紋について、民間の研究所に鑑定を依頼、被告とは一致しないとする結論を得た。


 鑑定書は既に千葉地検に提出。主任弁護人の副島洋明弁護士は「県警の鑑識には重大な誤りがある。これで被告の犯行を裏付ける物証はなくなった。真犯人は別にいる」と話し、3日の公判前整理手続きで捜査のやり直しを求めるという。鑑定したのは斎藤鑑識証明研究所(宇都宮市)の鑑識鑑定士、斎藤保氏。栃木県警で約29年間、指紋鑑定の実務に携わった。


 県警の捜査では、幸満ちゃんの靴が入っていたレジ袋の指紋1個と勝木被告の左手親指の指紋が一致したとされる。

(転載ここまで)



 いやはや、えらいことになったものだ。足利事件のDNA不一致は19年前だが、この指紋鑑定はつい昨年のことだ。指紋鑑定に間違いが生じる可能性があるなんて迂闊にも考えたことがなかったので、この報道には正直驚いた。


 この事件をご存じの方は多いだろうが、被告は精神発達遅滞という障害者であり、当初からその「自白」には誘導性が高いと問題視されていた。そのなかでこの指紋は唯一の物的証拠だったのだ。


 もしこの弁護側の鑑定結果が正しいとすると、被告を犯人とする証拠はなくなり、公判維持は相当困難になる。自白だけを頼りに無茶をすると裁判で負け、またもや冤罪事件として歴史に残ることになってしまうのだ。被告がいかに心象的にグレーであっても、証拠がなければ有罪には出来ない。


 私が居た黒羽には、自分の罪名や刑期をきちんと説明できない精神障害者が数多く勾留されていた。彼らは身に覚えのない罪までひっかぶせられて服役していたのだが、その殆どは他人の言動に抵抗できず、刑事から強く迫られれば頷いてしまうような人々だった。


 警察は万引き泥棒などの微罪で未解決の事件を、反論できないからと言って彼らにかぶせることを平気でする。そうすれば検挙率が上がるからだ。障害者達は無力だし、国選弁護人も被告と意思疎通が難しいから、弁護も適当になる。


 当然裁判も適当で、ようするに警察・検察・弁護人・裁判所が「あうんの呼吸で」精神障害の被告を有罪にしてどんどんム所に放り込むのだ。


 その記憶からすると、今度の事件も警察と検察が「いつもの通り」、反論できない人間を捕まえ、(犯人に仕立て上げるという)暴走した結果に思えて仕方ないのだ。


 もちろん警察はこのままおめおめと間違いを認めたりはしない。鑑定の真偽がどうなるのか、この公判には今後も注目していきたい。