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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

派遣村騒動に見る報道姿勢の「貧しさ」

 昨年に続き今年も東京日比谷に公設派遣村が出来た。ところがその「村民」の態度が悪かったというのでマスコミを挙げてのネガティブキャンペーンが張られている。産経などはネットで6ページも割いてこの問題を追求。異例の熱心さだ。

http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090118/wlf0901181801000-n1.htm

 長いので引用するのはやめるが、「派遣村にいたのは誰か?」と題して、派遣村が野党や左派系の運動・宣伝に利用されたという論陣を張っている。

 ちょっと待て、そりゃあ食うや食わずの人々が数多く集まれば、それは体制批判につながっていくのは当然だろう。
何故自分たちはこのような目にあっているのか、何故国は自分たちを切り捨てているのか、不平不満が募らない方がおかしい。

 そもそもこれだけ失業率が高まっているのに、反体制的な抗議運動が起きない方が、世界的にみれば不思議なのだ。欧州や韓国などでも、労働者達が血で血を洗う抗議行動をしてきたではないか。それに比べれば、ホームレスが万札握りしめてパチンコに行ったなんて可愛いものだ。

 派遣村に集まった者たちは、ただただ施しに感謝して礼を言え、とでも言いたいのだろうか。もちろん「働きたくない」連中も中には多数いただろう。しかし本当に派遣切りにあって困窮し、集まった人もいた。そのために出来た村であり、多少の問題は当初から予想できたはずだ。そんなこともわからない鈍感さしかない方が問題ではないのか。

 「派遣村にいたのは誰か?」という問いは、どうやら「派遣切り」以外のホームレスは派遣村にいる資格がない、そんな連中が多数存在したのはおかしい、といいたいようなのだが、ホームレスと派遣切りされた者の差など紙一重だ。家がなくても漫画喫茶で夜を明かせる者はホームレスではないとでも言うのだろうか。

 派遣村というのは、普段行政が職を失っている者をないがしろにしているつじつま合わせをした一つの象徴に過ぎない。そこに集まるホームレスの素行の悪さを罵倒し、だから職を失った者はダメなのだ、という暗黙の空気を作ろうとしている大手マスコミの報道姿勢には怒りを覚える。800人余が集まった中で、最終的に290人が生活保護を受けることが決まったというのは、行政が常日頃いかに怠慢かを如実に示しているではないか。

 そもそも労働派遣法の改悪を許して労働者の3人に一人を派遣にし、生活を不安定にしたのは自民党であって現政権ではない。派遣村など、行政の失業者対策や保護がきちんと機能していれば作る必要などないものだ。本来作らなくても良いものを何故やらなくてはならなかったのか、マスコミはこの国の現実をもっときちんと伝えるべきではないかと思う。

 新聞記者諸君よ、TV局の諸君よ、君たちの年収はいくらか。君たちは生活保護費の14万円で憲法が保障する「文化的な生活」が出来ると思っているのか。そういう状況を体験したことがあるのか。いや、知ろうとしたことがあるのか。

 財政難を理由にそうした僅かな生活保護でさえも渋る行政の現場を取材も糾弾もせず、派遣村に集まったホームレスの素行を問題にするのは、権力側から指弾されないから楽でいいよなぁ。
 

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