本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

またも冤罪?郵便不正事件公判の怪しい展開


 


 またしても、またしても冤罪事件か?

郵便割引制度の不正使用で逮捕・起訴された厚生労働省・元局長の裁判が実に怪しい?展開を見せている。



 そもそもは現場の部下であった元係長(逮捕)の、局長から直接指示があったとの証言をもとに彼女逮捕されたのだが、彼女は容疑を一貫して否認、四ヶ月以上も勾留されたが一度も自供しなかった。

 そして公判が始まると、なんとこの係長も他の部下も証言を翻し、「冤罪だ」と言い出したのである。一体何が起きているのか?以下、朝日の記事より。



<「元局長は冤罪」 前任係長「指示」否定 郵便不正公判>



 厚生労働省から、自称障害者団体を郵便割引制度の適用団体と認めた偽の証明書が発行された事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われ、無罪を主張する同省元局長村木厚子被告(54)の第6回公判が16日、大阪地裁であった。



村木元局長の共犯に問われている当時の担当係長上村勉被告(40)=起訴=の前任の元係長(48)が証人に立ち、元局長から証明書発行を指示されたとする捜査段階の証言を否定し、「元局長は冤罪だと思う」と述べた。



 これまでの裁判では、当時衆院議員の石井一参院議員の紹介案件だとして、当時課長だった村木元局長に発行を指示したと検察側が指摘する厚労省の元部長(58)も、事件の構図を「虚構」などと証言。今回の元係長の証言も検察側に厳しい内容となった。



 この元係長は、検察側の質問に対し、2004年2月、自称障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会、東京)元会長の倉沢邦夫被告(74)=共犯で起訴・公判中=が厚労省を訪問した際、倉沢元会長から「石井一議員の事務所の者です」とのあいさつを受け、その場に担当課長だった村木元局長も居合わせたと説明。ただ、元局長が何を発言したかは「覚えていない」と答えた。



 そのうえで、元局長から「大変な案件だけど、よろしくお願いします」と発行を指示されたことを認めた捜査段階の証言について「検察官から言われ、細かい点は確認せず調書に署名した」と主張。「元局長が関与したなら、私に直接指示があったはずだがなかった」と述べた。



 一方、04年4月の異動で後任となった上村被告に発行業務を引き継ぐ際には、石井議員から紹介があった案件だと知らせる一方で、団体の活動実態が不明なので発行にあたっては「慎重に」と伝えた、と説明した。
(引用ここまで)


 この元係長が「検察官から言われ、細かい点は確認せず調書に署名した」というくだりは、エリート中のエリートたる官僚の口から出た言葉とはとても思えないが、それだけ気が動転していたのか、調べがきつかったのか?この発言もにわかには信じがたい。


 局長が逮捕された時、マスコミは「傲慢な女局長」というレッテルを盛んに貼っていたが、それも検察リークに協力していたからなのだろうか?そういう風説も、当初彼女に不利な証言をしていた連中が皆「冤罪だ」と言い始めているので、すっかり影を潜めてしまった。もしこれが冤罪だと確定した場合、今度は検察のいじめに耐え抜いたジャンヌ・ダルク、とでも喧伝されるのだろうか?


 しかし、もしこの局長が冤罪だとすると、なぜ偽の証明書が発行できたのか(証明書には局長印が必要)、という疑問は残されたままになり、最終的な責任の所在がうやむやになってしまう。検察がその部分の解明をおざなりにしては、この一連の逮捕劇は一体何のためだったのか、という誹りが噴出せざるを得ず、冤罪の可能性を含めて検察にとっては相当困難なヤマとなってきたようだ。


 それにしても、一般の貧乏人ならいざ知らず、今度の冤罪の相手は厚生労働省の元局長。金も度胸も頭脳も持ち合わせているだけに、検察は最強(最凶?)の相手にケンカを売ってしまったかも知れない。この事件の顛末も注視していきたい。


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