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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

8/1 朝日新聞、出所者の現状記事について

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 いやはや、ちょっと記事の更新をさぼっていたら、あっという間に1ヶ月もたってしまった。先月・今月は、週刊誌連載の開始と11月発売の本の作業で結構忙しい。でもこちらもきちんと更新していこう。

 今朝の朝日新聞には驚いた。「ルポにっぽん」という連作記事で、「元受刑者のその後」「出所者とりまく不安と希望」というタイトルでなんと1・2面に渡って書かれていたからだ。

 通常、裁判や事件の記事ならいくらでも一面に載るが、出所者や受刑者の記事は速報性や関心が低いからか一面には載らず、夕刊などに載るケースが多い。

 しかもその殆どは、「受刑者はこうやって生活している」「出所者の再犯率が高まっている」などの実例報道で、出所者がおかれている立場に光を当てるモノではないのだが、今日の朝日記事は(まだ足りないとはいえ)踏み込んだ内容で、これまでとは異なるスタンスを感じさせた。

 記事では、まず生活保護だけで暮らす満期出所者の窮状を紹介し、仮出所者に比べて満期出所者の再出発が困難な現状、そして全国4箇所設置目標の「自立更正促進センター」が住民の反対運動で殆ど稼働できていない状況を報告した。出所者を積極的に雇用した会社の例も紹介し、再犯を防ぐためにはきちんとした更正支援が必要だ、という記事になっている。

 ただ、残念なのは「再犯防ぐ更正支援」とはあるものの、記事では更正支援の貧困さがきちんと指摘されていないことだ。

 私も体験し、何度もここで書いたが、わが国には仮釈・満期にかかわらず、出所者の社会復帰を支援する公的システムは存在しない。出所しても引き取り手がなければ即生活に困る。時給6円(60円ではない)作業報奨金などいくら貯めても雀の涙にしかならない。長い刑期の者は住民票もないから、市役所などに出向いても生活保護の対象にすらならない。

 また、ハローワークでも出所者だなどと名乗れば、協力事業者以外できちんとした仕事には絶対につけない。私が相談したハローワークでは、「絶対に黙っていた方がいい」とアドバイスされる始末だ。

 もちろん、ム所を出所した者全員が全てきちんと社会復帰を望んでいる、などというつもりはない。しかし、現状では初犯でさえ、社会復帰の道は非常に困難であり、毎年出所する3万人の約半数は数年以内にム所に戻ってしまうのだ。

 元刑務官で作家の坂本敏夫氏も支援システムが全く欠落している現状を指摘し、出所者には最低50万程度の資金を出所時に貸し与えるなどしてまず生活の基礎を作らせ、再出発準備をさせるべき、と書いている(韓国やヨーロッパにはそうしたシステムがある)。氏のように官の立場に30年以上いた人が言うのだから、大変重みがある発言だと思う。

 一番大きな問題は、出所者を支援する行政の監督官庁がどこなのかが決まっていないことだ。法務省はム所を出れば我関せずだし、厚生労働省も利権がないから何もしようとしない。財界は重い腰をあげて「全国就労支援事業者機構」を立ち上げたが、動きは鈍い。同会には超一流企業が名を連ねているが、それら自身は出所者を雇用しないのに、「あなたの会社で出所者を雇ってくれるのなら支援金を払います」という形では、なかなか賛同者が増えないのも理解できる。

 「社会復帰」とは、仕事をして金を得て、自立した生活をおくることだ。そのためには、先ず仕事場が確保されなければならない。そのためには、ある一定以上の規模の企業に、意欲と能力のある出所者の採用枠を設定させることも必要なのではないかと私は思う。トヨタはイギリスで、政府の要請に応えて出所者採用枠を設けているという。なぜ日本で同じことが出来ないのか、是非とも朝日新聞に探ってもらいたいと思うのだ。
 
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