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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

千葉刑務所で受刑者が両目を突いて自殺

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もう数日前だが、気になる事件があったので記録しておく。
先ずは9日の産経ニュースから。

<自殺?両目にはし突き刺す 千葉刑務所収容の男性死亡>
2010.8.9 18:06

 千葉刑務所千葉市若葉区)は9日、単独室(独居房)に収容中の40代の男性被告が7月30日深夜、両目にはしを突き刺した状態で発見され、病院に運ばれたが、8日夜に死亡したと発表した。死因は穿通(せんつう)性頭部外傷で、同刑務所などでは、男性が自殺した可能性があるとみて調べている。



 同刑務所によると、7月30日午前0時10分ごろ、巡回中の男性職員が、敷布団の上で、両目にはしを突き刺した状態で、顔を横に向けうつぶせになっている被告を発見した。



 はしは被告の私物で、木製の塗りはし。外部から侵入された形跡はなかったという。

転載ここまで)



この記事では、箸で目を突き刺すという事件の異常性は分るが、この人物がどういう素性なのか全く分らなかった。そして同じニュースを朝日から。



心神喪失と診断、勾留17年の被告が自殺か>

2010年8月9日20時37分



 1992年に強盗殺人の罪で逮捕、起訴されながら、その後の精神鑑定統合失調症による「心神喪失」と診断され、千葉刑務所(千葉市)の拘置施設に17年以上も勾留(こうりゅう)されていた男性被告(49)が死亡したことが9日、千葉刑務所などへの取材で分かった。同刑務所は自殺とみている。



 死亡した被告は92年10月、千葉県松戸市ガソリンスタンドで店長(当時38)を殺害し、現金約56万円を奪ったとして逮捕された。起訴後、千葉地裁松戸支部で裁判が始まったが、被告は裁判官らとの受け答えもままならず、精神鑑定で「心神喪失」と診断された。同支部は94年12月に公判停止を決定したが、被告は専門の病院で入院治療を受けることなく、拘置施設に留め置かれた。



 千葉刑務所によると、被告は7月30日午前0時10分ごろ、頭にけがをした状態で拘置施設の単独室で倒れていた。千葉市内の病院で治療を受けたが、8日午後7時半ごろ死亡した。死亡した状況から、刑務所は自傷行為による自殺とみている。



 被告の元弁護人は「裁判所地検は『被告の訴訟能力の回復を待つ』と説明していたが、医療機関への入院など適切な治療を受けさせなかった。自殺という重大な結果を招いた責任は重い」と指摘している。

(転載ここまで)





 10日のNHK昼のニュースでも朝日同様のコメントをしていた。つまり目を突き刺したという事実はあまりにも異様だと判断したのか、朝日とNHKではカットされていたのだ。そして一番詳しかったのが、10日の読売記事。





心神喪失被告を16年拘置、目にはし刺し死亡>



 精神鑑定で心神喪失と診断され公判が停止された後も、16年近く千葉刑務所(千葉市若葉区)で拘置されていた40歳代の男性被告が死亡したことがわかった。自傷行為とみられる。同刑務所が9日発表した。



 発表によると、被告は7月30日午前0時過ぎ、両目にはしが刺さった状態で発見され、8日に病院で死亡した。はしは木製で被告のものだった。



 千葉地検などによると、被告は1992年10月、千葉県松戸市内でガソリンスタンド店長(当時38歳)を鉄パイプで殴って死亡させ、約56万円を奪ったとして強盗殺人罪で起訴された。精神鑑定で心神喪失とされ、千葉地裁松戸支部は94年12月に公判停止を決定したが、その後も同刑務所に拘置された。



 弁護側は95年、同支部に拘置執行停止を請求。しかし、そのまま留め置かれたため、昨年9月に「訴訟能力を回復するには治療が必要」として、医療施設へ移すよう求める意見書を同支部に提出していた。



 男性の元弁護人は「裁判所がなぜ放置してきたのかわからない。鑑定書自傷他害の恐れがあると指摘されていた通りになったのだから裁判所に責任があるのではないか」と話している。同刑務所は「普段から異常な行動は見られなかった」としている。

(2010年8月10日01時36分 読売新聞





 刑務所では毎年平均して約10〜20人の自殺者がでるが、いずれもタオルで首を絞めるのが殆どであり、箸で目を突くというのは異様だ。本人の覚悟の程が伺われると言っていい。この92年の事件の詳細がよく分らないので、裁判自体の論評はしようがないが、刑が定まっていない人間を17年間も独房に収容していたのは明らかに裁判所の怠慢であり、厳しく責任を追及すべき事件ではないか。



 よしんば彼の刑が殺人のため無期懲役だったとしても、それが決定しているのかいないのかには雲泥の差がある。法において刑が定まっていない者を、裁判を受けさせずに17年ものあいだ勾留していていいはずがない。



 千葉刑務所はLA級(懲役8年以上の者・凶悪犯)を収容する所だが、刑が決定されていない以上、被告は懲役を科せられていなかったはず。おそらく禁固状態で、何をすることもなく一日中独房に居たに違いない。



 禁固刑というのは、懲役と違って仕事をしなくて良いから一見楽に思えるが、一日中誰とも話せず、次第に曜日や季節の間隔も失われていくので、自ら望んで懲役仕事をさせてもらう人が非常に多い。人は孤独に耐えられないからだ。



 この被告がどこまで正常だったのかは分らないが、懲役ではないから労働がなく、受刑者ではないから他の受刑者との接触もなく、17年間、ただひたすら人目に触れないように隔離されていたに違いない。この状況が17年も続いていたのは恐らく抗議する身内が誰もいなかったからだろうが、そんなホラー映画のような状況が日本に存在していたのだ。



 千葉刑務所は医療刑務所ではないから、その間何の医療行為もない。もし彼に身内がおらず(おそらくは誰もいなかったのではないか)、所持金もなかったとするなら、懲役労働による報奨金も一切はいってこないから、きっと何も購入することが出来なかったろう。



 
 もしかしたら新聞さえ、読むことがなかったのではないか。また、受刑者ではないから、部屋にはテレビも無かったかも知れない。これを読んでいるあなたは、そんな何もない部屋(3畳程度)で17年間生きることが出来るだろうか?

 被告は、巡回の合間を正確に測って自殺している。夜間の巡回は、受刑者の眠りを妨げないよう、足音には相当神経を使い静かなはずだから、その合間をきちんと測れるというのは正常だったことを裏付けている気がする。計画的であり、覚悟を決めていないと絶対に出来ない。

 そして目を突き刺しての自殺だから、独房内は血の海だったに違いない。遺体が運ばれた後、その部屋の掃除はやはり用務者(受刑者)がやらされたのだろうか。こういうニュースを見るたびにそんなことまで考えてしまう。それにしてもどうにもやるせない事件だった。

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