「民間刑務所」と誤表記の共同通信、密かに書き換え完了！
※マスコミ・映像関係者の皆様
勾留施設についての記事制作・番組制作等でのコメントや、ドラマや映画制作の設定監修等でご質問があればお気軽にご相談下さい。報道番組へのコメント、新聞社との特集制作、テレビドラマの設定監修等で実績がございます。
また、友人・知人が勾留されているが、どうしてよいか分らない方のご質問にもお答えしています。（秘密は厳守致します）
ご質問、ご相談は ryu.homma62@gmail.com までお気軽にどうぞ。
8月6日の記事で「社会復帰促進センターで初の自殺者」http://d.hatena.ne.jp/gvstav/20100806/1281095841
を取り上げたが、この記事の中で４７ニュースというサイトで、PFI刑務所のことを民間刑務所と間違えて表記していると書いた。
この４７ニュースというのは、全国地方紙の共同サイトで、共同通信のニュースをもとに作られている。地方紙は全国紙のような支社網を持っていないから、地元ニュース以外はどこかの取材網に頼らざるを得ないのだが、それを一手に担っているのが共同通信なのだ。
だから、この大元を担っている共同通信が間違った表記や誤報を流すと、全ての加盟報道機関のニュースに間違いが生じる、という笑えない状況が発生する。6日の「民間刑務所」表記はそうした大誤報の典型だった。
なにせ「民間刑務所で初の自殺」とタイトルから大間違いを発し、更に美弥社会復帰促進センターを「初の民間刑務所」とこれまたありもしない呼称で表記していたのだ。
言うまでもないが、日本には「民間刑務所」といえるほど全てを民間企業に委託した刑務所は存在しない。ここで民間刑務所と言っているのは半官半民方式、またはPFI（Private Finance Initiative）方式の刑務所で、資金は民間が調達し、運営は半官半民で行っている。
具体的には、受刑者と接する業務は従来通り刑務官（国）が行い、それ以外の施設維持活動を民間が担うことになっている。今現在、全国４箇所でこれらの施設が稼働している。
で、この表記間違いは見過ごせないと思ったので、私は8月6日の夜に４７ニュースの意見欄に以下のようなメールを送ってみた。
担当者様
いつも４７ニュースを楽しく拝見しております。
私は刑務所等勾留施設について研究している者ですが、
本日6日の配信に表記上の誤りがあるのではと考え、御連絡する次第です。美弥社会復帰促進センターで女性受刑者が自殺したニュースで、
＜民間刑務所で女性受刑者自殺 山口・美祢＞
山口県美祢市の民間刑務所「美祢社会復帰促進センター」は６日、４０代の女性受刑者が７月に自殺した、と発表した。同センターは２００７年に開設された全国初の民間刑務所。
と表記されていますが、美弥は民間資本の出資はあるものの、矯正業務は従来通り刑務官が行っている「半官半民刑務所」であって、民間刑務所ではありません。また、日本にはアメリカのような民間刑務所は存在しません。
にも関わらずこのような誤った表記を行うことは、読者に間違った知識を与えることになり大変遺憾なことだと思われますので、表記の訂正をお願いする次第です。逆にもし私の指摘に間違いがあるようでしたら、その根拠を明示いただければ幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
本間 龍
ところが一週間以上経ってもなんの音沙汰もないので再び４７ニュースを見てみると、
＜ＰＦＩ刑務所で受刑者自殺 山口・美祢、４０代女性＞
山口県美祢市にあるＰＦＩ刑務所「美祢社会復帰促進センター」は６日、７月に自殺を図り治療を受けていた４０代の女性受刑者が死亡した、と発表した。同センターは民間企業が運営に参画する初のＰＦＩ刑務所として２００７年に開設され、未遂も含め自殺は初めて。
にいつの間にか直っているではないか。しかも記事の最後には、
『同センターは警備大手のセコム（東京）など９社が特定目的会社を設立、国と２０年で約５１７億円に上る事業契約を結び建設した。手錠使用など実力行使を伴う業務は公務員の刑務官が担当する。』
と最初の記事にはなかったご丁寧な解説が足されている。余程まずったとおもったんだろうなぁ。
もちろんこの問題を指摘したのは私の他にも数多くいたかも知れないが、私の場合はメールで返信も出来るわけだし、指摘を受けたんだから一言ご返事があってもいいんじゃないですかね、共同通信さん。
これは共同通信だけではないが、ム所に関する記事には結構間違いが多い。また、ム所側の発表だけをただ書き写しているだけで何の掘り下げもないから、読んでいて消化不良を感じる記事も結構ある。今後もこういう記事には積極的に意見を送っていこうと思っている。
ちなみにネットで見てみると、他の地方紙の見出しは未だに直っていないものも散見されますが・・・
よろしければ一押しお願い致します！
