本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

適正な裁判とは何か ー市橋達也被告の適正な裁判を支援する会ー

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 また、友人・知人が勾留されているが、どうしてよいか分らない方のご質問にもお答えしています。(秘密は厳守致します)
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 また、今月より週刊漫画サンデー誌上にてコラム「刑務所エリート」連載開始しました!そちらも是非ご覧下さい!




 先日来、私の8月14日記事にアクセスが急増したのでアクセス元を見たところ、千葉大学名誉教授の本山直樹先生が主催する市橋容疑者の適正な裁判を支援する会のページ(http://sites.google.com/site/naokimotoyama/)だった。
外国人女性を殺した後に逃亡した極悪人を擁護するのかという非難もあったが、現在までのべ150人もの方々が支援金を送ってきてくれたらしい。

 昨年11月30日の逮捕以降、留置所内でハンストを行ったりして毎日報道されていたが、千葉拘置所に勾留されてからは情報が殆どなくなっていた。この事件は裁判員裁判の対象になるので、現在は公判前手続きが行われている。

 刑事裁判は民事に比べてとてつもない労力と費用がかかるので、国選弁護人のなり手が少なく、当番で仕方なく引き受けたものの、争わずにさっさと済ませてしまおうとする弁護士が非常に多い。市橋容疑者の場合、両親は事件以来完全に接触を断っているし、彼自身に金がなければ、国選弁護人に依頼しなければならなくなるし、勾留中の日用品購入にも支障が出る。彼の弁護はどういうふうになるのだろうかと関心があった。

 幸い、彼の弁護を引き受けたいという弁護士が手を挙げたため形の上では整ったものの、裁判費用に関しては国選扱いで微々たる金額しか出ない。そこで、市橋容疑者の恩師である本山先生が前掲の会を立ち上げ、募金を募ることとしたのだ。先生のお話しによれば、学生時代の市橋容疑者はごく普通の明るい優秀な学生であり、それが何故あのような凶悪事件を引き起こしたのか皆目見当がつかないと言う。

 しかし、犯した罪は罪として真相を明らかにし、生涯をかけて被害者への償いをするべきだ。そのためにはきちんとした裁判を受けさせなければならないが、市橋は両親と絶縁状態にあり、全くの孤立無援の状況にある。

 99.9%が有罪になる日本の刑事裁判で、弁護側が負う経済的負担は凄まじい。膨大な資料のコピー代に始まり、検察の立証を崩すためにあちこちに出張する場合もある。それら全てを払える金持ちの被告は殆どいないから、結局大半の場合費用不足で満足な反論が出来ないか、弁護人が自腹を切ることになってしまう。

 国選弁護人がつくといっても、実態はこんなものなのだ。このままでは彼がまともな裁判を受けられないのではないか、という危機感から立ち上がられた先生の師弟愛には誠に頭が下がる思いがした。

 ましてや市橋容疑者にかけられた容疑は殺人に強姦致死、死体遺棄で放っておけば無期懲役または死刑さえもありえる重罪だ。これに対し公判前整理において弁護側は「殺意なし、傷害致死強姦罪」を主張して全面的に争う構えで、裁判の長期化は避けられない情勢だ。

 自ら撒いた種とはいえ、拘置所の独居生活は恐ろしく孤独だ。その際心の支えになるのは面会と手紙だけだが、市橋容疑者の場合、両親は来ないし、あのような事件を起こしては友人・知人も寄りつかないだろう。また、赤の他人からの手紙類は裁判所の判断で差し止められる可能性が高い。裁判にもよるが、最低でも半年、長ければ数年そのような状況におかれると、どんな強靱な人間でも精神を蝕まれて自殺の誘惑に駆られたりする。

 電話やメールもないそんな時に、心の支えになるのが手紙と面会だ。市橋容疑者が間違いを犯したことを悔い、被害者に詫び、償うことの重さと尊さに気づけば、たとえ判決が無期だろうが死刑であろうが、彼はそれを受け入れることが出来るだろう。

 市橋容疑者を殺人鬼として糾弾することは至極簡単で、私もその罪は許せないと思う。しかし彼は既に捕まり、司法の場で真実を語る意志を見せている。検察が描くであろう極悪人としての筋書きは、全てを徹底的に調べない限りそのまま鵜呑みには出来ない。彼が負うべき法律上の罪が何なのかは、是々非々で争うべきだ。

 短期間ではあるが独居での勾留を体験した身には、自分を見捨てず、厳しくも暖かく見守ってくれる人の存在がどんなに精神的な救いになるか、痛いほどよく分る。願わくば市橋容疑者が本山先生の尊い愛情に答え、彼が犯した過ちを全て法廷で明らかにし、残りの人生をかけて償うようになってくれれば、と思う。

 私も及ばずながら、何かのお役に立てればと願っているし、関心のある方は是非一度上記本山先生のブログをご一読頂きたい。先生の尊いお気持ちが伝わってくるはずだ。

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