本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

押尾裁判 判決は証人次第の様相

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 遂に始まった押尾裁判。各メディアが一斉にニュースを扱っているが、今回も産経ニュースサイトが公判模様をかなり詳しく報道している。本日の記事より。

<押尾裁判、注目の証人 有名政治家と親しいフィクサー
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100904/crm1009042057025-n1.htm

 合成麻薬MDMAを一緒に飲んで容体が急変した飲食店従業員、田中香織さん=当時(30)=を放置して死亡させたとして、保護責任者遺棄致死など4つの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)。

 有名人として初の裁判員裁判は来週以降も続くが、検察と弁護側の主張は鋭く対立、展開は波乱含みだ。審理の行方を一変させるような新証拠、新証言は出るのか。

 「私が田中香織さんにMDMAを渡したことはなく、無罪です」「私は田中さんにMDMAを渡していないので、保護責任はありません。私は田中さんを放置しておらず、無罪です」と初公判で言い切った押尾被告。当然、弁護側は今後の公判で無罪主張を立証するための証拠を準備することになる。

 検察側も有罪の立証のため様々な手を打っている。特に、過去に押尾被告が「ドラッグセックス」を楽しんだ交際女性数人を証人として呼ぶことが確実視されている。

 ある司法関係者によると、「検察側でも弁護側でもなく、裁判所が職権で呼ぶ証人に注目の人物がいる」という。

 「今は永田町を離れているようだが、有数の人脈を持つフィクサーで、押尾被告が事件発生直後、電話で連絡をとって相談していた数人のうちの1人。押尾被告がどんなことを話したのか、裁判所が直接、確認しようという狙いのようだ」と解説する。

 この元永田町の有力者は検察側がたびたびマークしているとされる有名政治家とも親しく、「“検察憎し”の気持ちもあって、結果的に検察側に不利な証言をする可能性がある」というのだ。

 ついに始まった法廷対決。押尾被告は先月発売の女性誌「エッジ・スタイル」(双葉社)で、「犯罪者の汚名を着せられて、押尾学というブランドを剥奪され死に物狂いで無罪を取る」と手記をつづった。

 同誌の渡辺拓滋(たくじ)編集長(39)は、押尾被告の法廷闘争についてこう語る。 

 「“獄中ノート”でも本人が強く無罪を主張していた。裁判をきいて、押尾被告には一切ブレがなく、無罪への強い意思があると認識した。来週以降の裁判で、押尾被告側から無罪を勝ち取るための新証拠、新証言が様々に出るのではないでしょうか」

 あくまで強気の押尾被告。裁判員の心証にどう響くか。
(産経ニュースより転載)


 昨日の公判内容を見る限りでは、率直に言ってこのままでは保護責任者遺棄致死まで問うのは難しいのでは、と感じた。当初から予想されていたとおり、被害者の女性が亡くなった時刻まで特定するのは不可能であり、押尾が本当にその瞬間助けを呼ばなかったのか断定できていない。

 以前も書いたが、これがプロ裁判官が裁く従来の裁判だったら、押尾君は間違いなく有罪だったろう。状況証拠の羅列だけでも、裁判官の多くは検察になびくからだ。

 ところが今回裁くのは裁判員。「疑わしきは被告の利益に」という、プロ裁判官がとっくの昔に忘れ去った大原則を初めて経験している人たちだ。弁護側もそこは十分に熟知しており、冒頭陳述で

 「事件はマスコミで大きく取り上げられ、マスコミは被告が田中さんを見殺しにしたかのように報道してきました。皆さんの中には押尾被告に対して予断、偏見を持っている人がいるかもしれません」
 
 「もし持っているのであれば、その考えを捨てる必要があります。裁判で間違った判断をする可能性があるからです

 「立証責任は検察官にあり、裁判には『疑わしきは被告の利益に』という原則があります。もしも検察官の立証に合理的な疑いがあると判断したときには、協議では自信を持って『無罪』と述べてほしいです

 とわざわざ念を押している。

 心象的には誰しも彼を真っ黒だと思っているだろうが、被害者が亡くなった、又は亡くなりそうな瞬間を、自己保身のためにあえて見殺しにしたのかどうかという点については、残念ながら確たる証拠がないように思える。それならば、保護責任者遺棄致死まで問うことは出来ない。

 だから上記記事のように、(結局完全な証拠が無いのだから)この裁判の行方を左右するのは証人たちによる証言しかない。そういう意味において、今回は「心証裁判」ともいうべき内容になるのかも知れず、来週からの証人登場で報道もかなりヒートアップしそうだ。


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