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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

毎日新聞、府中刑務所養護工場をルポ

マスコミ・映像関係者の皆様
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 毎日新聞に興味深いルポが掲載されている。昨日・今日と連続らしい。以下、毎日新聞サイトより。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101130ddm041040160000c.html

<追跡・累犯:刑務所の中で/上>
 定年退職ない世界 1割が戻らなければいい方


 ◇自立困難「最後の行き場」
 日本最大の刑務所「府中刑務所」(東京都府中市)は、主に再犯者や外国人など約3000人の男性受刑者を収容する。09年のまとめでは、65歳以上の高齢者は11%、知的障害の疑いがあるとされる知能指数70未満の受刑者も全体の34%を占めている。

 記者が見たのは「養護工場」と呼ばれる所内の工場での刑務作業だ。白髪が目立つ受刑者がしわの深い手で、洗濯を終えた布製オムツを丁寧に伸ばし、畳んでいる。高齢や体が不自由なせいで、機械の操作などができない人向けの最も簡単な仕事という。

 所内では運動の時間もあるが、つえをついた人は移動に倍の時間がかかる。屋外運動場でキャッチボールを楽しむのはごく一部で、大半がベンチに腰掛けて休んでいた。

 見学した工場で作業していた受刑者の大半が50〜60代だったが、78歳も2人いた。高齢でも「定年退職」というわけにいかず、知的障害認知症が疑われる人も交じる。こうした人は原則8時間の刑務作業が6時間に短縮されており、作業場も階段を使わない1階と配慮されている。

 処遇部の大森康史看守長は「高齢化が進み、さまざまな病気の人もいる。理解力が乏しいが、根気よく指導するしかない」と語る。

 所内では07年から社会福祉士が配置され、服役中から出所後を見据えた就労支援などに取り組む。ある社会福祉士の男性は「帰る場所がない人が自分一人でなんとかするのは絶望的に難しい。受け入れ施設が確保されるなど、出た後の形が見えるとやる気が出て表情が変わる。出所時に不安ではなく希望が持てるからだ」と言う。

 自立困難な受刑者に社会福祉士らがかかわり、福祉や医療機関につなぐ取り組みについて、刑務官からは「専門家がいてくれると全然違う」と高い評価が聞かれた。だが、府中刑務所に配置された社会福祉士は3人。非常勤で時間も限られているため、対応には限界があるという。

 府中刑務所の受刑者の平均入所回数は4・5回だ。大森看守長によると「今度こそ」と出所して何十社も面接に落ちた揚げ句、空腹で盗みを働き「すみません」と戻ってくる人も珍しくない。仕事や住む場所がなく、必要な医療も受けられない人が増えているという。

 大森看守長は「ここは社会の縮図です」とつぶやき、こう嘆いた。「1割が戻ってこなければいい方です」【長野宏美】
(引用ここまで)


 もうまさしく、私が書いた黒羽の16工場の世界。
異なるのは、布オムツを使用し、洗濯して再利用していること。黒羽は市販の紙おむつだった。これはそもそも人数が違うことに起因しているのだろう。

 3千人の受刑者の11%が65歳以上の高齢者、ということは330人にもなるということ。通常、1つの工場の定員は100人以下だから、工場3つ分もの人員が高齢者だということになる。この数は黒羽よりもはるかに多い。

 これは何故かというと、黒羽は初犯刑務所なので、まだ若い人間も数多く入ってくるから。だが府中は累犯刑務所なので、何回も罪を犯すうちに年をとった累犯者が集まっているからなのだ。

 それにしても、自分たちの使用する布オムツを自分たちで折り畳んでいる光景はなんとも切ない。他に出来る労働もないから、恐らくこれで最低時給6円の報奨金をいただいているのだろう。それでも月収800円程度にしかならないが・・・今日掲載の記事を見ないと何とも言えないが、記者はそこまで気づいただろうか。

 結局のところ、出所するときに受け入れ先がないと、刑務所でどんなに面倒を見ても、また戻らざるを得ない。国の無策に対して、どこまで切り込めるのか。そんな記事に期待している。

名もなき受刑者たちへ 「黒羽刑務所 16工場」体験記 (宝島SUGOI文庫)

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この毎日の記事と同じ現場に、私はいました。


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