本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

ホリエモンは獄中でメルマガを続けられるか?

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 どうも最近ツイッターばかりやっていてこちらが疎かになってしまった。でも今日は久々にム所ネタを。
 遂に最高裁堀江被告の上告を棄却。殆ど分かり切っていた結末だが、いよいよホリエモンも収監される日が近づいてきた。今日異議申し立てをしたが、そんなものは時間稼ぎにしか過ぎないので、連休明けにはサクッと却下されるだろうから、実際の収監は5月の10日前後だろうか。当然ながら昨日記者会見が行われ、ム所の中からも情報発信するという意気盛んな様子を見せた。以下、日刊ゲンダイ記事より。

<塀の中でも稼ぎ続けるホリエモン
【政治・経済】
2011年4月27日 掲載
獄中から年商1億円メルマガを続行
●収監をニラんだ出版も
 旧ライブドア粉飾決算事件で懲役2年6月の実刑が確定し、近く刑務所送りとなる堀江貴文被告(38)。26日の緊急会見では「恐らく1カ月くらいで収監され、どこかの刑務所に入る」と淡々と切り出すと、検察への不満を一気にまくし立てた。

「健全経営の会社を潰す必要があったのか。他の企業の粉飾は執行猶予が付き、課徴金で済む例も多い。私だけ実刑は極めて異例で不公平」「あの事件以降、株式市場はズタズタとなり、個人投資家東証から離れた。M&Aも減り、誰もベンチャーをやりたがらなくなった。検察が日本経済をダメにした」「検察はデキの悪い社員と同じ。ミスを5、6回指摘しても分からない。“検察はオカシイ”と100回くらい言わないと同じ過ちを繰り返す」

 とまあ、記者の質問ひとつの答えに、最大20分を費やす独演会状態だったが、「世の中の真理は不公平」「運命って受け入れざるを得ない」と妙に達観したコメントも。今の心境を聞かれた時も「スッキリした。悔しい気持ちは湧き上がってこなかった。人生ゲームの駒がひとつ進んだ感じ」とサバサバと答えた。

 驚いたのは、獄中でも月額840円の有料メールマガジンの発行を続けることだ。「出所する頃には腱鞘炎になっている」ほど更新するという。メルマガの購読者数は1万2000人強。ザッと、年商1億円の“ドル箱”だけに獄中でも稼ぎ続けたいのだろう。収監のタイミングを見計らったように最終校了段階の本も5、6冊あり、近く出版予定。刑務所入りもビジネスにするシタタカさだ。

 ある出版関係者は「できる限り、雑誌連載も続ける予定」とこう言った。「そもそも、ホリエモンに連載を依頼したのは、収監後の話題性をアテ込んだ面もあった。なかなか最高裁判決が出ないので、担当者は『裁判所は早く刑務所に送れよ!』とボヤいていたほど。すでに『獄中日記』を依頼しているメディアもあるようですよ」
 会見では「体験した何もかもが貴重なリポートになる」とホリエモン。メルマガのPRを忘れなかった。


 ということのようだが、ではム所の中から本当にメルマガが更新出来るのか?

結論からいうとこれは相当難しい。なぜかというと、ム所からの手紙(発信という)や面会は数が決まっているから。

 発信や面会の回数は「優遇区分」というレベルによって決まる。誰でも入所したときは4類からスタートし、最高1類まである。でも、ある程度年月がかかるので、どんなに優秀な人でも2類になるまで最低2年はかかるし、1類なんていったら5年はいないと無理。ホリエモンは2年半の刑だから仮釈放がついて1年と10ヶ月程度か。そこで、各レベルでの発信回数と面会数は以下の通り。


4類   発信(便箋7枚以内) 5通/月    面会(15分以内) 3回/月
3類      〃       6通/月       〃     4回/月
2類      〃       7通/月       〃     5回/月
1類      〃       10通/月      〃     7回/月


 ホリエモンの刑期ではせいぜい2類までいくかどうか。最初の1年は間違いなく3類。しかも一度でも懲罰になれば即4類に降格される。懲罰は刑務官に歯向かったり、口答えレベルでも即発動されるし、最も多いのが同囚との喧嘩だが、これも両成敗なので、自分が悪くなくても必ず懲罰になってしまう、非常に難しい世界なのだ。

 断っておくが、上記の発信数は1週間ではなくて月間である。つまり、週に1通出せるか出せないか。友人知人、親兄弟への手紙は一切書かずにひたすらメルマガだけを書く、というなら可能だが、そうもいくまい。おまけに様々な訴訟や出版に関する文書もあるだろうから、最初は本当に困るだろう。メールはおろかパソコンも携帯もない、石器時代のような生活だからツイッターのようなレスポンスの早さに慣れた現代人には恐ろしく辛いはずだ。
 更に、一回の発信で使えるのは便箋7枚以内しかも文字は罫の中からはみ出してはならない。文字が小さすぎても駄目、余白や紙の裏も駄目。つまりびっしり書き込むことは不可能なのだ。もちろん、面会に来た相手に手紙を渡すことも出来ない。本の原稿のやりとりに手紙を入れるのも不可。全部検閲されているから、もぐりこませようとしてバレたら即懲罰の上、次回から原稿のやりとりも禁止されてしまうからやらない方が良い。

 もし唯一可能な手があるとすれば、ノートに日記形式で書いて、そのノートを宅下げ(実家等に送ること)することだろうか。それでもいちいち許可がいるし、とてもではないがリアルタイムとはいかない。

 また、彼は刑期中に2000冊の本を読みたいと言ったようだが、休日以外で本を読める時間は1日最大でも4時間程度しかない。朝6時半に起床し夕方17時の夕食が終わるまでは懲役作業があるから本など読めない。夜は21時就寝で、布団の中でこっそり読んでいるのが見つかれば即懲罰。懲罰になると約10日間、本は1冊も読めないし発信・面会も不許可になって全部パーだ。ム所生活は甘くない。

 それでも彼ほどの有名人はどこに行っても問題を起こすだろうから、官側も独居にして隔離するだろう。もしかすると彼の行き先は、私がいた黒羽の16工場(現在12工場らしい)か、もっと管理のゆるい喜連川社会復帰センターかも。そこなら読める量は増えるかも知れない。

 最後に、「ム所にはヤクザがいるからホリエモンは虐められるだろう」的な記事をあちこちで見かけたが、彼が入る刑務所は初犯専用なのでヤクザはいない。ヤクザ・暴力団構成員は最初から累犯用刑務所に送られるので、初犯者と一緒にはされないのだ。そこだけは安心してもいいよ、ホリエモンさん。
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