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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

原燃と電事連が「はやぶさ」を利用して洗脳広告を復活

日本原燃電事連青森県原発推進広告を大々的に復活させている。
以下は3月24日に東奥日報・デーリー東北・陸奥新報に掲載された30段広告だ。

最初にこの話を聞いたときは、5段か15段くらいの広告を想定していたのだが、なんとフルカラー30段、しかもあの「はやぶさ」で有名を馳せた川口淳一郎氏を、原発推進芸者の神津カンナがインタビューするという形式に驚かされた。敵も復活に本腰を入れてきた、と言うわけだ。

まずはこれが掲載された三紙を見てみよう。
東奥日報    25万部(世帯普及率42%)
○デーリー東北  11万部(   〃 17%) 
陸奥新報     5万部(データなし)
讀賣新聞(参考) 2.7万部(世帯普及率4.7%)

世帯普及率とはその地域にある世帯でどれくらい読まれているかという指標なので、簡単に言えば東奥日報青森県では全世帯の半分近くが読んでいる、ものすごいメジャー新聞と言うことになる
掲載された三紙でほぼ青森県民殆どがカバーされるといっても過言ではない。その三紙全てに30段を掲載した。

料金的には、電力会社や電事連は新聞社と年契約料金を結んでいるから、はっきりはわからない。しかし東奥日報の段単価から類推すると掲載料だけで約500万円、カラー料金100万として合計600万円程度か。
デーリー東北は掲載料270万円、カラー料90万として360万円。陸奥新報が掲載料225万円、カラー80万円で
計305万円。三紙合計で1265万円といったところか。もう少し安い可能性が高い。

これに新聞原稿制作費が別途かかるが、これはもう推論でしかない。デンパククラスなら30段で4〜500万取るが、
地元の広告代理店だったら100万円以下かも知れない。但し、今回は神津カンナと川口氏のコーディネートがあるから、デンパクいずれかの可能性が高いと思う。

ちなみにこうした電力会社の広告出演料はバカ高いのが魅力で、今回はまだ風当たりも強いから一人当たり最低でも200〜300万は払ったろう。下手したら500万だって平気で
払うのが電力会社だ。どうせ電力料金に上乗せして利用者に請求するから、金銭感覚などないに等しい。

さて肝心の中身を見てみよう。

はやぶさに学ぶ 青森そして日本への提言」
残念ながら細かい文字まで読みとれないが、電力会社から青森への提言と言ったら「原発と核燃施設を動かしましょう」しかないわけだから、はやぶさの教訓を原発に応用しましょう、ということになる。


小見出しの「他国の追随をやめ〜」と「国家の自立になくてはならない技術がある」という言葉をわざわざ抜き出しているのは、(本文でははやぶさのことをいっているのだが)共に原発と核燃サイクルのことを指しているに違いないから、
涙ぐましい小細工が感じられる。さらに、「型破りなことにあえて挑戦する人材を」は、反対の多い核燃サイクルを
あえて推進する勇気を持て、と暗示している。型破りなどされたら国が潰れるのだからいい加減にして欲しい。



「成功体験は油断を生むが、失敗は成長の原動力となる」は完全に311以前の原発政策と事故を指していて、原発が事故を起こしてもやがて成長の糧となる、と言いたいのだろう。ではこの言葉を、現在避難している16万人の福島県民の前で言ってもらいたい。彼らがそれを聞いてなんと思うか、
こういう人たちは想像出来ないのだろうか。


「東北には成し遂げる力がある」は読み手を鼓舞する見出し。核燃サイクルをやり遂げよう、と言いたいわけだ。巧妙な刷り込み。


最後の神津カンナのまとめ。全文ではないが、空恐ろしい事が書いてある。というか、原発事故には触れているが、そのせいで今なお16万人が故郷に帰れない、という肝心なことは一切書いていない。
「ある意味で冷酷な準備を積み上げることが私たちに課せられた任務」とは一体どういう意味なのかも分らない。いくら準備しても事故は起きるし、そんな「任務」をしょう義務はない。

そして、「失敗続きだったはやぶさも、最後は成功した」と、ことさらにはやぶさと核燃サイクルとを結びつけようとしている。しかし巧妙にここでは「核燃サイクル」も「原発」の文字も出さないのがミソだ。そして最後に、彼女の作家としての
クセなのか、妙な一文で締めくくっている。
「さあ、お湯を沸かし直してゴミ箱をきれいにしよう!」
これは一体どういう意味か?原発を再起動して核燃サイクルを動かし、核のゴミをきれいにしよう、ということなのだろうが、
そのために原発を動かすのはもうごめんだし、核燃サイクルは20年以上も稼働していないではないか。バカも休み休み言って欲しい。

とまぁ中身の解釈はこんな感じだが、この広告の持つ意味は他にある。ローカルメディアを広告費でスポイルする手法が
また性懲りもなく始まったと見るべきだ。これは311以前への先祖帰りともいうべき事態だと思う。つまり、


青森県の新聞全てがこの広告を掲載したことは、(以前もそうだっただろうが)今後もこれらの新聞は原燃・電事連に対し
 批判的記事を書けないし、掲載出来ない。また、資本関係がある青森放送青森テレビ・FM青森なども同じ

②この広告が久しぶりの掲載であったとするなら、これはシリーズ広告の第一回目だろう。似たような30段・15段が
 これから数ヶ月に一度、掲載されるだろう。

こんなトンデモ広告を掲載し、毒饅頭を食って電力会社の宣伝をするような新聞やテレビは、報道機関を名のる資格がない。彼らはまた311以前の状態にに戻ることが、恥ずかしくないのだろうか?