本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

のりぴー送検/知られざる東京地検の地下

 このブログは別にのりぴー情報板ではないのだが、彼女のおかれている状況を解説することが、普通の人が知らない司法手続きを解説することになるので、もう少し追いかけてみたい。

 本日朝、のりぴーは東京地検(霞ヶ関にある)に送検された。送検というのは、分り易く云うと「この者を逮捕したので、取り調べ願います」という許可を検察庁にとるための手続き。

 ここで取り調べ担当検事と最初の顔合わせを行い、逮捕事由の確認などを行う。これをもとに検察庁から裁判所に対し「勾留請求」(この者を取り調べのため勾留します、との要望)を出し、許可を得て20日間の勾留期間の間に起訴・不起訴を判断する。

 この送検のあと、被疑者はまず警察署で取り調べを受け、調書(警察官面前調書)を作成される。そしてこれを元に再度検事が「検察官面前調書」を作成する。要するに調書は2つあるわけで(裁判で使用するのは後者)、これを20日間で作成するので結構忙しい。

 一般人の場合、送検や検事調べは東京地検地下2階の待合いに集められ、自分の番号が呼ばれるまで延々と待たされる。
 
 この待合い(正式名称は明かされていない)は洋画などでよく出てくる複数を収容する監獄のイメージで、長い廊下に沿って10数室がズラリと並び、一部屋に最大12名が押し込められる。ここに毎朝東京管区の留置場から100名余が集められ、検事との対面まで待たされるのだ。待合いは男女がエリアで完全に分けられている。

 部屋は縦4メートル、横2メートル程度の長方形で、壁に沿って固い木の長椅子に隙間無く6名づつ座らされる。手錠をはめたままで朝8時過ぎから夕方4時まで座らされるので腰や尻が痛くなり、相当な難行苦行となる。もちろん私語は厳禁、狭いので足を組むことも難しい。足が触れたとかで喧嘩をする者も頻繁に出てくる。

 トイレは各部屋の奥にあるが、扉は腰までしかなく全員から顔は丸見え。まだ被疑者なのに完全に犯罪者扱いである。それでもここで大便をするヤツがいるから恐れ入る。もうそういう羞恥心が無い人々の方が多いのかも知れない。

 手錠は朝食時の30分間だけ、利き腕だけが外される。与えられるのは府中刑務所で作っているコッペパン2本とマーガリンやジャム2個、白湯一杯と決まっており、一年365日、全く同じ。私語厳禁の中黙々と食べ、終わればまた自分の番号が来るまでじっと待つ。とにかく長い。時計もないから時間の感覚がなくなる。

 殆どの者は朝バスで集められ、全員の取り調べが終わってから再びバスに乗せられ各留置場に帰るので、例えば朝10時に自分の検事調べが終わっても、その後全員が終わるまで堅い木の椅子で待たされる。そしてこれが検事調べが終わるまで繰り返される(通常凶悪事件以外で4〜5回)ので、これが一番疲労困憊するのだ。

 とはいえノリピーのような有名人はVIP待遇だからそんな雑魚共とは違い、恐らく個室で一人待機だろう。そして取り調べが終われば専用車両で直ぐに署に戻される。あの狭くて暗い地下室を何度も体験した身から見れば、ほんとに羨ましい限りだ。

 送検が終わり、もう今日から刑事による調書作成が始まっている。一週間程度で出来上がるだろうから、その後検事調べとなる。相手が芸能人だから大騒動になっているが、取り調べ側としては実にデイリーなレベルの事件だろうから調べも早いだろう。次の焦点は保釈の時期だろうか。次は刑事調べと検事調べの具体的な様子をお知らせしたい。