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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

裁判員裁判、死刑求刑で無罪判決 極めて異例

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裁判員制度における死刑求刑事案で初の無罪判決が出た。まずはアサヒコムの記事から。

裁判員裁判、死刑求刑被告に無罪判決 鹿児島老夫婦殺害>
裁判員裁判の判決が言い渡された鹿児島地裁=10日午前10時37分、鹿児島市、代表撮影
 鹿児島市で昨年6月、老夫婦を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた無職白浜政広被告(71)の裁判員裁判で、鹿児島地裁(平島正道裁判長)は10日、死刑の求刑に対し、無罪を言い渡した。平島裁判長は「証拠を検討すると、検察官の主張を全面的に認めることはできない」と理由を述べた。

 被告は捜査段階から「現場には行っていない」と関与を否認し、無罪を主張していた。有罪か無罪かの認定に加え、有罪の場合は死刑の適否が争点で、裁判員がどう判断するかが注目されていた。

 裁判員裁判としては、選任手続きから判決までが最長の40日間。無罪主張の被告への死刑求刑は初めてだった。

 判決は、現場に残された証拠からは、犯行の状況が「不明」と結論づけた。白浜被告のものとされる血痕がいつついたのか、逃走経路はどうだったのかなどに疑問が残ると述べた。

 起訴状によると、白浜被告は昨年6月18日夕から翌朝にかけて、蔵ノ下忠さん(当時91)方に金品を奪う目的で侵入し、忠さんと妻ハツエさん(同87)の頭や顔をスコップで殴って殺害したとされる。

 今回の事件では、自白などの犯行に直接結びつく証拠はないため、立証は間接証拠の積み重ねとなった。検察側は、侵入経路とされる網戸から採取された細胞片のDNA型や物色された整理ダンス付近の指紋などが被告のものと一致したとする点を挙げた。

 そのうえで、最高裁が死刑選択が許される基準として示した「永山基準」に沿って「命を犠牲に金品を奪おうとした動機は厳しく非難される」「殺害方法が残虐」と指摘。遺族の強い処罰感情などを踏まえ、死刑を求刑した。

 弁護側は現金や貴重品が現場に残り、スコップから被告のものと一致する指紋などが出ていないことから、「恨みを持つ別人の犯行」と反論。「指紋などは偽装工作の可能性がある」として、検察側の立証について「合理的な疑いが残る」と批判していた。

 白浜被告は被告人質問で、犯行日とされる当日の行動について「早朝に家を出て市内を散歩し、夕方に散歩を終えて車の中で仮眠した。午後10時ごろ家に戻った」と述べ、アリバイの存在を主張した。

 公判では、弁護側が検察側の多くの証拠に同意しなかったため、鹿児島県警の警察官ら計27人の証人が出廷。裁判員裁判としては初の現場検証も行われた。評議も最長の14日間だった。

 これまでの裁判員裁判では死刑求刑が5件あり、4件が判決に至っていた。横浜、仙台、宮崎の各地裁(横浜と仙台は被告側が控訴)で死刑が言い渡された。東京地裁無期懲役だった。

     ◇

 〈鹿児島市の老夫婦殺害事件〉 2009年6月19日朝、鹿児島市下福元町の民家で、この家に住む蔵ノ下忠さん(当時91)と妻ハツエさん(同87)が頭から血を流して死亡しているのを訪れた三男が見つけた。タンスに物色の跡があり、現場から見つかった指紋などをもとに鹿児島県警は白浜政広被告(71)を殺人容疑などで逮捕。同年7月、鹿児島地検は強盗殺人と住居侵入罪で起訴した。

 起訴状では、白浜被告は同年6月18日午後4時半ごろから19日午前6時ごろ、蔵ノ下さん方に金品を奪う目的で侵入。2人の頭や顔を金属製スコップ(長さ約94センチ、重さ約1.6キロ)で何度も殴り、脳挫傷などにより殺害した、とされていた。検察側は公判で、犯行推定時刻を18日午後7〜9時ごろと説明した。
(引用ここまで)

 死刑が求刑されての無罪判決は極めて異例だ。驚くべき事態だといってもいい。以下、NHKニュースからその訳を。

<死刑求刑で無罪 極めて異例>

 鹿児島市でお年寄りの夫婦が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われ死刑を求刑された被告に、鹿児島地方裁判所は、無罪を言い渡しました。検察が死刑を求刑した裁判で無罪が言い渡されるのは、極めて異例です。

 最高裁判所によりますと、記録が残っている昭和50年以降、被告が無実を訴え、検察が死刑を求刑した裁判の1審で無罪が言い渡されたのは、これまでに3件しかありません。

 このうち平成元年に佐賀県で女性3人が遺体で見つかったいわゆる「北方事件」では、元被告が犯行を認めた上申書は長時間の取り調べで作られた違法な証拠だとして、無罪が言い渡され、確定しました。

 また平成12年に富山県暴力団組長と妻が射殺された事件では「元被告に犯行を依頼された」という人物の供述は、責任逃れのためのうそだった疑いがあるとして無罪となり、確定しました。

 平成13年に広島市で家族3人を殺害し保険金をだましとったとして元会社員が起訴された裁判は、1審と2審で無罪が言い渡され、検察が上告しています。死刑が求刑されるような重大な事件で、警察や検察は慎重に捜査を進める傾向がありますが、これらの事件はいずれも有罪を裏付ける証拠が乏しいなかで検察が起訴に踏み切ったものでした。
(引用ここまで)


 これまで裁判員裁判で死刑求刑がなされた裁判では、3件が死刑判決、1件が無期だが、いずれも事実関係は争わず、
「死刑に値するかどうか」の判断だった。しかしこの事件は被告が完全に関与を否認、全面的に争っていたので、私は
ひょっとしたら無罪判決がでるのでは、と感じていた。

 従来の職業裁判官だけによる裁判なら、間違いなく死刑か無期の判決が出ただろう。この判決こそ、ここ数年来全く無視されてきた「疑わしきは罰せず」という、裁判における不文律が久々に陽の目を見た瞬間だ。一抹の疑いでも残る限り、被告を死刑に、いや有罪には出来ないという刑事裁判における鉄則が甦ったことには拍手を贈りたい。

 しかし、14日間も審議に参加させられた裁判員の心理的・経済的負担は凄まじいものがあるだろう。なんでもかんでも検察のいいなりだった司法の堕落に歯止めをかけた、という意味では素晴らしいが、彼らの心中を考えると、裁判後のケアが全くなく、守秘義務だけを科している現行の制度には、やはり欠点があると思わざるをえない。

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