レベル7の衝撃と「DAYS JAPAN」の怨念で東電を叩きまくる週刊現代
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ついにと言うべきかようやくというべきか、政府は今回の福島第一原発の事故をチェルノブイリと同じ「レベル7」であると認めた。震災後1ヶ月経っても全く収束の目途が見えないどころか、大気や土壌、海へと放射線を撒き散らし続けている大事故のどこがレベル5なのだと憤っていたが、政府も保安院も追いつめられて認めざるを得なかったのだ。
それにしても今日の管首相の「事態は安定してきている」という言葉が虚しい。(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110412-OYT1T01005.htm?from=rss&ref=rssad)「安定」というのは、物事が人為的なコントロール下におかれて初めて言える言葉だと思うが、管さんには今の第一原発の現状が無事コントロールされているように見えるのだろうか。だとすればその認識は極めて甘いとしか言いようがない。
言うまでもないことだが、現状は「安定」ではなく、奇跡的な「小康」状態である。それさえもひとたび注水が中断されればあっという間に危機が再燃する。昨日の余震ではまたもや外部電源が落ちて、50分間も注水が中断する危機が起きた。
そもそも余震が来ることは分かり切っているのに、あの程度でなぜ外部電源が落ちるのか、さらに何故すぐに自家発電に切り替わらないのか理解に苦しむ。現場は注水と排水で手一杯なのは分かるが、なぜ1番大事な電源問題で(津波もないのに)再び問題が起きるのだろうか。大事に至らなかったからあまり問題になっていないが、この電源落ちはもっと追求されるべき問題だと思う。
話は違うが、ここ数週間の雑誌は当然ながら地震と原発問題一色だが、中でも週刊現代は100頁単位の特集を組んで原発問題を特集し続けていて、その切り口の深さは他の追随を許さない。文春も先週は東電を切り捨てて勇ましかったのに今週号はいきなりトーンダウンしたが、現代の東電叩きは一種異様な迫力がある。
実はこれには大きな裏がある、と私は思っている。
かつて週刊現代を発行する講談社がフラッグシップと位置づけていた「DAYS JAPAN」という雑誌があった(現在発行されている同名の雑誌とは別)。私は創刊号から終刊号まで全て持っているが、1988年から90年の僅か2年間だが、当時の青森県六ヶ所村の再処理施設建設に反対の論陣を敷き、チェルノブイリレポートを始め世界各地の原発による放射能汚染を特集するなど、当時原子力推進に血道を上げていた自民党と産業界に真っ向から喧嘩を売るような紙面展開を続けた。原発に警鐘を鳴らす同誌の人気は高く、月刊ながら25万部の部数があったらしい。
ところが、あまりにも先鋭的な原発叩きは東電を始め政府自民党や経済界から問題視され、雑誌としての生命線である広告掲載を拒否され、さらに他の講談社の出版物にまで圧力がかけられるに及び、同誌はいきなり廃刊となってしまったのだ。もちろん表向きの理由はそうなっていないが、当時の紙面を知るものの間では有名な事件であった。
週刊現代のここ三週間の表紙を見てみると、
4月9日号 「放射能汚染」列島全情報「体内被曝」は始まっている 福島原発「隠された真実」
4月16日号 「溶け出した福島第一原発第三の恐怖」 想定される「最悪の事態」
4月23日号 「福島第一原発はもはや限界に近い 大量被曝する日本人 放射能汚染列島「20年後の発病」
等々、全ての週刊誌の中でも相当強烈なコピーが並んでいるが、大事なのはそれらが決して過度なものではなく、政府や原子力村の連中が主にテレビを通じて必死に隠蔽しようとしてきた今回の大事故の様子を、包み隠さず報道している点にある。ここ数週間の同誌の報道が、まさしく20年前に「DAYS JAPAN」を廃刊に追い込んだ東電とその関係者全てに対する講談社の総力を挙げた意趣返しに見えるのは、私だけではないだろう。講談社はこの姿勢をとり続けるべきだ。東電の存続や原子力村の存続など、もはや絶対に許してはならないのだから。
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