「原発広告と地方紙」 制作裏話①
今回の作品は、原発所在地の地方紙の紙面を過去に遡って検証するという、なかなかありそうでなかった試みでした。ある一つの新聞にターゲットを絞ってその過去記事を調べるということは過去にもあったかもしれませんが、原発所在県13カ所の新聞を調べるというのは、恐らく過去に例がない試みだと思います。
前作「原発広告」を執筆中、これだけ全国紙や雑誌に広告が出まくっていたのだから、地方紙もさぞやひどいことになっていたんだろうな、という予想はついていました。しかし、それはあくまで予想であって、具体的な掲載段数や掲載内容は一切分かりません。原発関係に詳しい人たちと話をしていても、「ああ、出てたよね」という話にはなっても、具体的にどこの新聞にどんな広告が載っていたのかまでは分かりませんでした。
また、前作に掲載された広告群は全国紙で掲載されていたので比較的有名なものが多く、マイ・ニュースジャパンさんや、天野祐吉さんのサイトでも紹介されていたものが多数含まれていました。つまり、ネットで検索すれば探し出せるものも結構あったのです。しかし、地方紙に掲載された広告ははるかにマイナーであり、まったくと言って良いほどネットでは探せませんでした。つまり、本当の意味で「原点に当たる」しかない状況でした。
現在、新聞や雑誌の「過去記事」については、各社や国会図書館にある検索システムである程度検索することが可能になっていますが、「広告」についてはほとんど探すことができません。縮刷版の巻末に索引が載っている場合はありますが、そもそも縮刷版がある地方紙は非常に限られていますから、結局は地道にマイクロフィルムを見て行くしか方法はないのです。逆に言えば、調査には圧倒的に手間暇がかかるからこそ、地方紙の報道姿勢や原発広告の掲載は、誰も調べていなかったのです。
しかし、原発所在地の新聞が原発をどう報道していたのかは、報道機関が原発とどう対峙していたかを知る上で非常に重要なファクターです。だからこそ、これはきちんと調べなければいけないな、と考えました。(続く)
原発広告と地方紙―原発立地県の報道姿勢 http://t.co/e0090HUfIa 販促ツイ⑨80年代の福島民友で、「大きなひとみで原子力発電所の安全をいつも見つめています」「ボクらの青い空、広い海、いつまでも」など歯の浮くようなタイトルの広告を出し続けた広告主はどこでしょう?
— 本間 龍 ryu.homma (@desler) 2014, 9月 18
同じ日のニュースとは思えない落差。富の極端な集中、これがアホノミクスの正体。
東京、大阪、名古屋の三大都市圏の基準地価は6年ぶりに上昇に転じた。 http://t.co/GrP3ibmnfU
止まらない地価下落 要因は人口減少…http://t.co/hYmAY4iWmD
— 本間 龍 ryu.homma (@desler) 2014, 9月 18
除染・賠償で東電負担は7兆9000億円 概要判明 http://t.co/3IyDNLS79l すごいな、これって結局全部国民負担だから、もはや完全なモラルハザード。以前の「総括原価方式」が、「国民負担方式」にすり替わっただけだな。
— 本間 龍 ryu.homma (@desler) 2014, 9月 18