本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

秋霜烈日とはこれいかに

本日付の朝日新聞夕刊一面の「素粒子」がなかなか面白かった。ちょっと抜粋してみたい。



 

 『無実の人に自白を迫り、不起訴を覆され、被告は全面対決。秋霜烈日の検察バッジに寒風。国民の信頼なしに正義はない。』



なかなか素粒子氏もうまいこと言うものだ。上記はつまり、



 1.足利事件で無実の菅谷さんに自白させ、


 2.01年の明石歩道橋事故で4度検察が不起訴とした明石署の元副所長を検察審査会に起訴相当と議決されたこと


 3.郵便不正事件初公判厚生労働省の元局長が無罪を主張、検察と全面対決する事態になっていること




 を強烈に皮肉っているのだが、まさしく検察はこのところ失態続きで、権威の復活を民主党の小沢逮捕に賭けているような雰囲気だ。

 

 足利事件事件のことはこのメルマガでも散々お伝えしているが、無実の人間を17年間も拘禁していて、担当検事はおろか組織を代表する検事総長が一言も謝罪していない。逮捕したけれども不起訴になったとか、半年くらいで真犯人が出てきて冤罪立証されたなどとはスケールが違う、なにせ17年間である。私のような経験者であっても、その苦痛たるや代弁できるようなものではない。 



 その間菅谷さんの両親は亡くなり、彼も60歳を越えてしまった。失った時間は戻らないが、せめて当時の担当だった森川が一言詫びればよかったのに、ことここに及んでも「当時の判断は正しかった」というあたりは、とても正常な人間の判断とは思えず、ましてや難しい大学を卒業して検事サマになった人とは到底思えない。そして、民間であれば最高責任者の社長に当たる検事総長も全く姿を見せないのだから大したものだ。



 次の明石歩道橋事件もすごい。検察審査会はこの副所長を過去3度も起訴相当と判断していたのにその度に無視し、改正検察審査法のおかげで今回ようやく起訴されることになったのだ。この事件では11人が死亡し247人が負傷。検察は現場担当の下っ端ばかりを起訴し、責任者に当たる署長(すでに死亡)と副署長は不起訴とした。典型的な警察と検察上層部の馴れ合い案件だ。



 元厚生局長の場合、彼女は最初に逮捕された係長の証言で不正に関与したとされ逮捕されたのだが、この係長はその後証言を翻し、彼の単独犯行だったと云っているのに、検察はその後も起訴を取り下げずに昨日の初公判に臨んだ。もともとその係長の証言が大きかっただけに、局長と政治家の繋がりが証明できない以上、相当な無理筋に見える事件だ。



 ということで最近だけでもこれだけ大きな事案があるのだが、もちろんこれらは氷山の一角で、まだまだ隠れた類似の冤罪や不起訴事件が山のようにあるに違いない。果たして検察が今後どのような局面で信頼を回復するのか(また出来るのか)耳目を凝らして注視していきたい。
 

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