本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

社会復帰促進センターで初の自殺者

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本日のニュースに以下のようなものがあった。


<民間刑務所で女性受刑者自殺 山口・美祢>
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010080601000530.html

 山口県美祢市の民間刑務所「美祢社会復帰促進センター」は6日、40代の女性受刑者が7月に自殺した、と発表した。同センターは2007年に開設された全国初の民間刑務所。

 同センターによると、7月15日午前0時ごろ、巡回中の職員が単独室内で壁に設置された棚にタオルで首をつっている受刑者を発見。病院で死亡が確認された。約30分前に巡回した際に異常はなかったという。遺書はなかった

 タオルは長さ87センチ、幅26センチでナイロン製の入浴用。センター内の売店で購入した。タオルは日用品として1枚に限り部屋への持ち込みが許可されていた。

 センターに収容されるのは初犯の受刑者で、未遂も含め自殺は初めて。これまで大きなトラブルはなかったという。

 花村博文センター長は「自殺事案が起きてしまい、まことに遺憾だ。受刑者の心情把握を徹底するなど再発防止を図りたい」と話した。
(47ニュースより転載)


 先ず最初に注すべき点は、美弥の社会復帰促進センターは「民間刑務所」ではないということ。日本にはアメリカのような民間刑務所は存在しない。

 47ニュースというのは確か共同通信加盟社で作っている新聞社団体だと思うが、だとすればこのニュースも共同通信の記者によるものか。

 社会復帰促進センターは民間資本を導入し、受刑者と直接接触しない部門では民間の職員が働いているが、矯正業務は従来通り刑務官が行っている、「半官半民刑務所」または「官民混合運営刑務所」だ。これはかなり基本的な間違いなので共同通信は反省すべきだろう。

 まぁそれは二次的な問題で、いくら最新鋭の社会復帰促進センターでも自殺は防げないよな、というのが第一印象。ここは初犯(A級と呼ばれる)の中でも特に優秀?で社会復帰能力が高いとされる受刑者(スーパーA級)しか入れないところで、全国の他の刑務所とは天国と地獄ほどの差がある。

 全国に4箇所ある社会復帰促進センターでは最新鋭の施設を備え、他のム所では殆ど行われていない、受刑者全員に対する職業訓練を行っている。(通常の刑務所における職業訓練は、全受刑者の数十分の一しか枠がないから殆ど無意味。例えば黒羽刑務所では、受刑者2000人に対して職業訓練は20人程度)

 このセンターにいれば手厚い職業訓練とかなり人間的な処遇を受けられるから、相当居心地はいいはずなのだが、やはり自殺は起きる。どんな高級マンションに住んでいても自殺者が出るのと同じだ。

 日本の刑務所には、受刑者の精神的ケアを担う部門がない。かろうじて宗教教誨というものがあるが、ケアを専門的に行っているわけではない。だから受刑者は個人的な悩みを打ち明けられる機会が少なく、それが自殺に繋がっていくのだ。

 受刑者も人間だから、入所している間に様々な試練に遭遇する。また、出所しても生きていく術がある者は少ないから、殆どは不安を抱えて日々の懲役労働に従事している。たとえば出所しても身寄りや定住地がなければ即、住所不定無職になる可能性が高いが、それを刑務官に相談しても、彼らも何もしてやれない。満期がくればところてん式に追い出すだけだ。そうやって追い出されても、職には就けず生きては行けないから、またすぐにム所に戻ることになる。

 だから、もし相談部署を作るのなら、就職の斡旋をするなど、ある程度その悩みを解消できなければ意味がない。そういう流れが出来るのに、一体あと何年かかるだろうか。

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