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本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

刑務所で同性愛者はどう処遇されているか

 先日「受刑者性同一性障害」の記事についてのコメントを載せたところ、いきなりカウントは跳ね上がるは、トラバはしていただくはで反響が多いのに驚いた。考えてみれば、同性愛者の方々がム所でどのような処遇を受けているかについてマジメに書いている処は殆どないから、この機会にちょっとまとめておきたい。



 まず、ム所漫画などではム所の雑居に同性愛者が入るとすぐにヤられるとかお約束のように書いてあるが、私の実感では、実際には殆ど無理だと思う。



 というのも刑務官が足音を忍ばせて四六時中監視しているからで、いくら見張りを立たせていても物理的に難しいのだ。刑務官はわざと足音がしない靴を履いており、しかも目をつけた所には背をかがめて近づいたりするから、見張りを立てていても全く役に立たなかったりする。(そういう捕り物は廊下の逆側から観ていると結構面白いのだが)



 たとえ実行中でなかったとしても、怪しい素振りだけでも即調査になり、ひっかかれば該当者は転房(部屋を変わる)させられるので二度と同じ部屋にはなれない。ましてや懲罰にでもなれば工場も変り、等級も下がって仮釈放にも影響するから危険を冒す価値は限りなく低いだろう。



 もっとも、少年刑務所では監視が緩くやりたい放題だったという体験談も聞いた。私の場合は黒羽刑務所での実体験に即した感想だと思って頂きたい。



 そもそもム所では、同性愛者だと自己申告した者は雑居に入れない。必ず独居になるのだ。まぁ彼女?の立場になれば周りは恋人候補ばかりなので、ム所側も最初から独居に隔離する。ただ自己申告しなければ防ぎようがないので、申告しない者も数多くいたようだ。



 ただ、申告しないと風呂が皆と一緒なので、自らの体をさらすのと同時に、男性の裸体に反応を示してしまう危険性がある。通常の男性が女風呂に入れば興奮して下半身が反応してもおかしくないと同じ理屈で、彼女たちも思わず反応してしまうことがあるらしい。(幸い私は観たことがないが)



 申告した者は原則として風呂は個室になるが、個室風呂は2つくらいしかなく人数が増えてくると膨大な時間がかかるようになるので、刑務官がしょっちゅう「皆と一緒に風呂に入っても問題ない者は申し出て欲しい」と要請していた。その条件はもちろん「男を見ても反応を示さないか」ということだったが、中にはOKした人もいて、腰をくねらせながら風呂に入っていく風景はなんともまか不思議な光景だった。



 一般受刑者との際立った待遇差は入浴と健康診断くらいで、作業内容は男性受刑者と全く同じだし、基本的には服装も皆と同じだ。ただ胸が出ている者は、許可を得られればブラジャーの使用が認められる。将棋を指している受刑者の肩にブラの紐が見えたときは、やはり不思議な感覚に捕らわれたものだった。



 待遇は同じだが、そこで少しでも差を作ろうとするのが女ごころ?らしく、20日に一回義務づけられてるガリ(散髪)の際には担当者に取り入ってなるべく長めに切ってもらったり、支給される作業服が汚れていたりくたびれたりしていると何度でも交換に出して一番きれいな物を着ていたりするのはお手のもの。受刑者の衣服は何度でも使い回すので殆ど皺ばかりなのだが、なぜかお姉様たちはパリっとしてきれいなものを召していることが多かった。



 また、きれい好きなのも女の特徴で、ム所の中ではもちろん香水・化粧品などの類は一切所持禁止なのだが、なぜか彼女たちはいつも石鹸のいい香りがするので聞いてみると、毎日、衣服の裏側にくまなく石鹸をこすりつけているのだそうだ。石鹸は一部屋3個までと一応取り決めはあったが事実上黙認されていたので、10個程度持っている者もいたし、パッケージを外して、部屋の芳香剤代りに使用していたりもした(これは私も真似したが)。



 私が用務者(世話係)をしていた16工場は認知症を煩った老人や障害者が多かったので、お姉様たちには随分彼らの面倒を診てもらった。そのあたりは粗忽な野郎共には真似できない細やかさがあり、辛い受刑生活を彼女たちに助けられた老人達は随分いたはずだ。



 刑務官は全員の監視をしなければならず、一人一人の老人をケアする暇は全くないので、彼らの世話は全て我々用務者とお姉様達で行っていたのだ。



 精神的におかしくなって暴れていた人が、刑務官の怒声には反応を示さず、お姉様たちの女性らしい物腰に反応して静かになったことも一度や二度ではなかった。やはり女は偉大だ、とム所で感じることになるとは夢にも思わなかったが、それは素晴らしい体験だった。ム所で学べたことも、確かにあるのだ。
 
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お姉様達とのことや、16工場の人々のことも書いています