本間 龍のブログ

原発プロパガンダとメディアコントロールを中心に、マスメディアの様々な問題を明らかにします。

どこまで続くぬかるみぞ・・・刑務官の不祥事

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 少々古い話で恐縮だが、年末に明らかになった福島刑務所での刑務官不祥事

 60歳の看守部長受刑者わいせつ行為強要していたというのだから開いた口がふさがらない。まずは以下の記事から。





福島民友新聞から)

官の不祥事/倫理観の欠如はなはだしい(12月24日付)



 県内で刑務官、警察官の不祥事が相次いだ。いずれも法の執行に当たる公務員としての職業倫理、意識を著しく欠いたあきれた行為でしかない。それぞれが所属した福島刑務所や県警は、なぜこうした行為が起きたのかを検証し、再発防止のための根本的な対策を取るよう求めたい。



 刑務所の看守は、主に受刑者の監視や指導に当たる。職務の遂行に際し、立場を利用した強圧的な態度は慎まなければならない。ところが、福島刑務所処遇部門の看守部長が男性受刑者にわいせつな行為をさせたとして、特別公務員暴行陵虐容疑で同刑務所に逮捕された。


 仙台矯正管区によると、刑務官は採用時をはじめ節目の年に職業倫理や業務などについて定期的な研修を受けるという。刑務官の不祥事は、名古屋刑務所で起きた受刑者虐待事件をはじめ各地で相次いだが、こうした問題を契機に、各刑務所の判断で研修を行ってきたという。


 しかし、刑務所内で指導的な立場にある勤続39年の看守部長が問題を起こしたのだから、所内の規律に緩みがあったことは否めない。今回の問題を受け、千葉景子法相は遺憾の意や厳正な対処方針を表すとともに再発防止対策を指示した。こうした指示や指導ばかりでなく、問題の根絶を図るべきだ。



 警察官の不祥事は、暴力団捜査などを担当する県警組織犯罪対策課の男性警部補が、知り合いの暴力団組員から約200万円を借りたうえ、ワイシャツの仕立券を受け取っていたことだ。警部補は停職処分になり、退職した。


 県警によると、郡山署勤務当時に暴力団員から仕立券をもらい、県警に異動してから借金したという。暴力団関係だったことを重視、警察庁の処分指針よりも重くした。暴力団員との一線を越えた付き合いはもってのほかだが、捜査員としての常識がどこで崩れたのか、背景の解明もまた重要だ。



 警察官の不祥事も県民に与える影響は大きい。信頼を失えば、骨身を惜しんで職務に当たるほかの警察官に支障も出よう。県警では昨年、セクハラ児童買春などの不祥事が相次いだ。組織を挙げ再発防止に取り組んだが、今年は今回を除き3件起きている。再発防止策が適切かどうかの見直しも必要だろう。



 ところで、二つの不祥事では発表の対応が分かれた。県警は借金の動機や、見返りとして捜査情報の漏えいなどはなかったと詳細を明らかにした。一方の刑務所側は、容疑の認否や発覚の端緒など、問題行為を裏付ける具体的説明は「捜査中」として行わなかった。


 刑務所は閉ざされた施設だからこそ、問題はきちんと明らかにすべきだ。施設内に閉じこめるような姿勢では、問題の根本解決は難
しい。
(引用ここまで)


 今回最も驚いたのは犯人?が看守部長という要職についていたことだ。これには他の刑務官達も相当びっくりしただろう。ム所内における部長職というのは大企業における局長級の重要ポストで、ヒラの刑務官から見たら雲の上の人である。おいそれと話しかけられるような存在ではなく、ム所内では相当高位にあたる存在だ。


 60歳で定年間近の不祥事、退職金もすっ飛んだだろうが、この種の犯罪はどうみても過去これ以外にも余罪があると思われるから、徹底的な追及が必要だ(どうせうやむやになるのだろうが)。恐らくは泣き寝入りしてきた受刑者が他にも多数存在しているのではなかろうか。相手が看守部長では、気の弱い受刑者なら評価に影響が出るかとびびって言うことを聞いてきたかも知れない。正直、あまりにも位が高すぎる。


 それにしても、昨年だけでも刑務官の不祥事は相次いでいる。ざっとあげると、

・広島少年員での暴行事件

・名古屋刑務所での収賄事件

加古川刑務所での暴行事件

・上記と同じ福島刑務所での親書不当閲覧事件

三重刑務所での暴行事件

・名古屋刑務所看守部長の勤務中飲酒事件



 などまさに「枚挙に暇がない」状態。しかも福島民友が書いているとおり、これは厚い秘密のベールをかいくぐって「ばれた」のであろうから、ほんの氷山の一角なのだろう。



 結局は第三者の監視が入りにくい超閉鎖的組織ゆえにこういう犯罪がはびこるのだが、私が体験した黒羽では、多くの若い刑務官は皆勤勉で職務に邁進しているように見えた。結局中堅からベテランになって馴れと共に怠慢の気が出てくるのだろうが、全国の過密現場で必死に働く刑務官達が哀れに思えてくる。もちろん、一番哀れなのは被害にあった受刑者なのだが。
 

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